2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580389
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 和久 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40335427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 純一 北海道大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30344493)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニワトリ / 肉色 / 鶏肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ブロイラーにおいて、食欲増進と肉色改善の両効果を期待できる亜鉛に着目し、これらの効果を最も強力に発揮する亜鉛化合物の選定とその最適給与量の決定を行うと共に、亜鉛化合物によるブロイラーの食欲増進と肉色改善の両分子機構を解明して、ブロイラーの産肉量増加及び肉質向上の両者を同時に達成しようとするものである。 平成26年度は、ペプチド亜鉛の給与がブロイラーの成長成績、肉色、及び種々の骨格筋中のヘム並びに亜鉛プロトポルフィリン含量に及ぼす影響について調べた。4日齢のブロイラー雄ヒナに、市販の配合飼料にペプチド亜鉛を終濃度100ppmになるよう飼料に添加して6週間給与し、成長成績に及ぼす影響について調べた。ブロイラーの体重、飼料摂取量、ムネ肉重量、モモ重量、肝臓重量及び腹腔内脂肪組織重量に、ペプチド亜鉛の影響は認められなかった。また、浅胸筋及び長内転筋の色調(Lab値)にも、ペプチド亜鉛給与の効果は認められなかった。浅胸筋及び長内転筋の亜鉛プロトポルフィリン含量及びヘム含量にもペプチド亜鉛給与の影響は認められなかったが、長内転筋の亜鉛プロトポルフィリン含量は、浅胸筋のそれに比べて有意に高く、浅胸筋のヘム含量も同様の傾向を示した。 これらの結果から、少なくとも本実験条件下においては、ペプチド亜鉛の添加はブロイラーの成長成績並びに肉色を改善しないことが示唆された。また、今回、新たに鶏肉中に安定な天然の赤色色素である亜鉛プロトポルフィリンの存在が認められたことから、その含量を栄養学的手法によって制御することができれば、ブロイラーの肉色改善の為の新た方策を提案できると判断された。
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