2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
入江 正和 宮崎大学, 農学部, 教授 (30333438)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肉質評価 / 豚肉 / 牛肉 |
Research Abstract |
食肉の物性(脂肪交雑やきめ、やわらかさ)を評価することはや高品質化や個性化にとって重要であり、画像解析法を中心とした光学的新システムによってそれらを客観的、迅速に評価しようという研究である。 食肉のきめは、枝肉格付の1つとして重要なだけでなく、見栄えや、舌触りや多汁性といった食味にもかかわる重要な要因である。たとえば、黒豚の肉は一般的な豚肉(LWD交雑種)に比べて、脂肪交雑が乏しい、いわゆる赤身であるが、おいしいと言われる。この理由は、肉のきめ(第一次筋束の大きさ)が細かく、舌触りがよく、細かい組織に肉汁をうまく保持し、多汁性に富むためと考えられる。黒豚の筋繊維の細かさは報告されていたが、きめは明らかではなく、本研究においてマイクロスコープ法によって、黒豚だけでなく、中ヨークシャーやイノブタにおいてもLWDに比べてきめが細かいことを科学的に立証した。 和牛肉では脂肪交雑は食味にとって重要であることはわが国では広く知られており、豚肉においても脂肪交雑が食味を向上させることが国際的に報告されてきた。脂肪交雑の評価には画像解析法が有効であるが、豚肉では色が淡いことから解析が難しく、殆ど報告されていない。組織切片で脂質染色後、画像解析した方法では実用性に乏しく、今回、汎用システムを用いた画像解析法で生肉のまま評価できる方法を考案した。また、マイクロスコープ法によれば、筋内脂肪の細胞形状までわかることを発見した。 紫外線蛍光システムの構築については、紫外線光源の選択、光源と励起波長の選択、受光システムの感度の問題、海外の赤身と比べて脂肪交雑が多く、複雑な光学現象を示すため、様々な条件の組合せとその選択が難しく、器機の導入が終わった段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロスコープによる豚肉のきめの評価法に関しては順調に進んでおり、肉のきめの評価が可能で、大型種と各種中型種の品種間の差をとらえることができ、また、牛肉についても可能であることを示し、かなり順調に進んでいると考えられる。 豚肉の脂肪交雑の評価法については、組織切片を作成して脂肪染色をせずに、画像解析法によって可能であることを示しただけでなく、マイクロスコープ法によれば、筋内脂肪細胞の形状の評価も可能であることを発見し、かなり順調である。 紫外線蛍光システムの構築については、様々な条件の組み合わせがあり、器機の選択と導入に時間がかかっており、やや遅れ気味である。 上記の理由により、全体としておおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
食肉のきめに関しては、計画通り、牛肉において系統によって差があるのかどうかを検討する。このことは、増体系に比べて、但馬系などは増体は良くないが、きめが細かく(仮説)、やや小型の資質系の特徴(良さ)を引き出すものであると考えている。 豚肉の脂肪交雑の画像解析法については、従来の画像解析法だけでなく、マイクロスコープ法による筋内脂肪の評価を新たにとり入れて、計画にそって行う予定である。 紫外線蛍光システムの構築については、導入したシステムなどを用いて、紫外線に対する脂肪交雑牛肉や豚肉の基礎的な反応を確かめてゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的に、一般的な消耗品代と旅費がほとんどであるので、計画通りに執行する予定である。 なお、紫外線システムに関しては新規の備品などが必要であると思われるが、予算がないので、それら器機を借りてでも行う予定である。
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Research Products
(1 results)