2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580402
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
三森 眞琴 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜生理栄養研究領域, 上席研究員 (40418588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真貝 拓三 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜生理栄養研究領域, 研究員 (70510254)
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Keywords | ルーメン / ルーメン細菌 / セルロース分解菌 |
Research Abstract |
反すう家畜の第一胃(ルーメン)内での飼料の微生物消化は反すう家畜の飼料消化の特徴であり,家畜の生産性に大きく関与する要因である。ルーメン内の微生物(ルーメン微生物)の研究は古典的には培養法で進められてきたが、培養可能なルーメン細菌は約10%程度と推定されている。近年、分子生物学的手法の進展により多量のルーメン微生物由来の遺伝子が見つかっているが、これらの遺伝子には多数の未知遺伝子が含まれており、解析不能な状態となっている。この問題を解決するには、培養可能なルーメン細菌、特に飼料分解に重要なセルロース分解菌を新規に分離する必要がある。 本課題では、従来法の培地を改良した改変基礎培地(MBM)に炭素源としてカルボキシルメチルセルロース(CMC)を、培地固化剤として寒天またはゲランガムを添加した培地(AMBMまたはGMBM)をロールチューブ法に応用した。ロールチューブから釣菌し、斜面培地で増殖が確認された菌株については、CMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性を確認した。その結果、CMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性のいずれかを示した菌株はAMBM から77菌株、GMBM から76菌株が分離された。平成25年度において、これらの菌株をさらに精査し、最終的にAMBMから64菌株、GMBM から65菌株が得られた。これらの菌株の16S rDNA遺伝子配列を決定したところ、本研究により得られた菌株は門レベルでFirmicutes、Proteobacteria、Spirochaetes、Bacteroidetes、Fibrobacteres、Actinobacteriに属していることが明らかになった。さらに、目レベル以下で未同定と判断された菌株はAMBMで9菌株、GMBM で17菌株あり、これらは新種の細菌であると推定された。各菌株のCMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性の程度は異なっていたが、これらすべての活性を示した菌株は34菌株あり、全体の約26%を占めていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた分離菌株のCMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性の詳細な検討と16S rDNA遺伝子による菌種の決定が実施された。これらのことから、予定通りに計画は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に明らかにされた分離菌株のセルロース分解活性特性や菌種を参考にしてゲノム解析を実施する菌株を選定する。選定した菌株について、ゲノムのドラフト解析を行い、セルロース分解関連遺伝子や代謝経路について詳細に検討する予定である。 平成25年度は、選定した菌株についてのゲノムのドラフト解析を行い、配列のアセンブルとアノテーションを実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
効率的な予算執行に努めた結果、小額であるが残額が生じた。 来年度交付される経費と合わせ、来年度に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)