2013 Fiscal Year Research-status Report
ブタ精巣で発現するリラキシン様蛋白の造精細胞への結合とアポトーシス抑制作用の解明
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24580408
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高坂 哲也 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10186611)
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Keywords | relaxin / RLF/INSL3 / 受容体LGR8 / 造精機能 / 精巣 / apoptosis |
Research Abstract |
25年度は計画通り研究を遂行し、以下の知見を得た。 1.カイコを用いた組換え体リラキシン(RXN)様蛋白の作製: RXN様蛋白の全塩基長cDNAをBmNPVシャトルベクターに組み込んで発現系を構築した後、バクミド化してカイコに注射しRXN様蛋白の発現を試みた。その結果、本組換え体蛋白質はカイコの脂肪体内で発現が見出された。申請者らの方法(Biochem. J. 2012)により各種クロマトを組み合わせて単離したところ、分子量12 kDaのジスルフィド結合を保持したA-B-C鎖ヘテロトリマー構造からなる完全長フォームで発現していることを認めた。さらに、受容体LGR8遺伝子を導入したHEK293細胞よる生物活性の評価から、cAMP産生能を刺激することが判明し、生物活性を有する組換え体であることが明らかとなった。しかし、発現量が低いことから、更なる改良が必要であった。 2.造精機能を低下させた雄へのRXN様蛋白投与による造精細胞のアポトーシス抑制作用の誘起: Cisplatin投与を施して造精細胞にアポトーシスを誘発させ、造精機能を低下させた雄ラットに、皮下に埋めた浸透圧ミニポンプからRXN様蛋白を2週間に渡り連続注入し、アポトーシス抑制作用を検討した。その結果、RXN投与群では、コントロール群に比べて精巣のカスパーゼ3の遺伝子発現が有意に抑制され、さらに、TUNEL法による解析からもアポトーシス陽性を示す造精細胞の割合が有意に低下していることを見出し、本ホルモンがアポトーシスを抑制して造精機能を改善し得ることを明白にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度に計画した1)カイコを用いた組換え体リラキシン(RXN)様蛋白の作製と2)造精機能を低下させた雄へのRXN様蛋白投与による造精細胞のアポトーシス抑制作用の誘起については、すべて目標を達成できた。従って、「研究目標の達成度」は適切である判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は計画通りに、能動免疫および受動免疫ブタを用いたRXN様蛋白のアポトーシス制御機構の解析について検討を行い、RXN様蛋白が造精機能の維持を司る鍵分子の一つであるとの位置付けを明白にする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の業績の一部をJournal of Endocrinology(英国)へ投稿し、3月号に掲載が決まり、別刷り代に充てるためにとっていた。しかし、3月末まで待ったが、結局、別刷りも請求書も届かなかった。そのため49,882円が残となってしまった。 前年度の繰越額49,882円は、今年度の消耗品代に充てる。
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[Journal Article] The active form of goat insulin-like peptide 3 (INSL3) is a single-chain structure comprising three domains B-C-A, constitutively expressed and secreted by testicular Leydig cells.2013
Author(s)
Siqin, Minagawa I, Okuno M, Yamada K, Sugawara Y, Nagura Y, Hamano K, Park EY, Sasada H, Kohsaka T
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Journal Title
Biol Chem
Volume: 394
Pages: 1181-1194
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Expression and localization of RLF/ INSL3 receptor RXFP2 in boar testes.2013
Author(s)
Kohsaka T, Sagata D, Minagawa I, Kohriki H, Pitia AM, Sugii Y, Morimoto M, Uera N, Shibata M, Sasada H, Hasegawa Y.
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Journal Title
Ital J Anat Embryol
Volume: 118
Pages: 23-25
Peer Reviewed
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