2014 Fiscal Year Research-status Report
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24580442
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 弥生 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 客員研究員 (30396303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 耕太 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (50283974)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ボルナ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボルナ病ウイルス(Borna disease virus; BDV)は人獣共通感染症として危惧されているが、BDV感染動物体内において発見されるウイルス粒子はきわめて少なく、その実態解明は困難を極める。本研究はこれまでBDVエンベロープ蛋白質(BDVG)の宿主細胞内発現効率の低さについて研究を行い、これまでに、BDVGの膜貫通領域内にある483SLCV486配列が発現効率を低下させる要因であることを突き止めた。本年度はBDVGの細胞発現低下の原因がタンパク質分解系の亢進であるという仮説を立て、その検証をおこなった。小胞体での分解亢進の有無を調べるため、BDVG発現ベクターをHEK293細胞に導入し、プロテアソーム阻害剤であるラクタシスチン、MG123を作用させ、 BDVGのタンパク質発現をウエスタンブロットおよび免疫蛍光抗体法で確認した。しかしながらいずれにおいてもBDVGの細胞発現は確認できず、発現低下はタンパク質分解系の亢進ではないことが示唆された。また同様にプロテアーゼ阻害剤のロイペプチンならびにリソソーム阻害剤塩化アンモニウム存在下でも、BDVGの発現は認められなかった。従って、BDVGの細胞内発現低下はタンパク質分解により起きている可能性は低いと示唆された。そこでBDVGを遺伝子導入した細胞からRNAを抽出し、判定量RT-PCR法を用いてRNA量を測定した。対照として鳥ボルナウイルスエンベロープタンパク質(ABVG)を用いたが、BDVGのRNA量はABVGと比べて約3分の1程度の量しか検出されなかった。このことはBDVGの発現に際し、転写の段階でなんらかの抑制がかかっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BDVの宿主内ウイルス粒子低形成の原因は、BDVGのタンパク質発現効率の著しい低さが原因であるとする仮説を実証するため、本年度はBDVGの細胞内発現に関わる宿主細胞機構として、タンパク質分解系に焦点を当て研究を行った。次年度はタンパク質合成以前の過程、つまりRNA合成に関わる因子に着目し研究を行い、BDVGの宿主細胞内発現効率の低さの真相を解明する予定であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は転写に焦点を当て、研究を行う予定である。具体的には細胞内発現時のRNA発現を中心に、スプライシング因子の関与についてNorthern blotting、siRNAなどの手法を用いて解析する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に出産し、産前産後と育児のために研究を中断しなければならない期間が生じ、予定していた研究計画に遅れが生じたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に細胞内遺伝子導入、Northern blottingに関わる試薬の購入、ならびに研究計画に関わる打ち合わせの旅費に使用する予定である。
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