2014 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン蛋白遺伝子転写制御領域のエピジェネティクス
Project/Area Number |
24580445
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐伯 圭一 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10311630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 潤一 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40127361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プリオンタンパク質遺伝子 / プリオンタンパク質 / マウス / エピジェネネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】昨年度までに、マウス各組織におけるプリオンタンパク質(PrP)遺伝子のDNAメチル化状態について解析し、すべての組織においてPrP遺伝子プロモーター領域を含むCpGアイランドは非メチル化状態であることを明らかにした。本年度においては、さらに個々の細胞レベルでの遺伝子発現とメチル化状態を明らかにするため、マウス由来株化培養細胞を用いて解析を行った。 【研究の内容】マウス由来株化細胞(8種類)より、定量RT-PCRおよびBisulfite Sequencing PCR法によって、PrP遺伝子発現量とDNAメチル化状態を調べた。DNAメチル化解析領域はPrP遺伝子のエクソン1を含む上流域749 bpおよび下流遺伝子発現量およびメチル化状態をそれぞれの細胞株について調域280 bp (イントロン1の一部)とした。解析領域に含まれるCpG配列を上流から1-46番の番号を付した。 【研究の成果】PrP遺伝子発現は、調べたすべての細胞株で認められ、神経芽細胞株C-1300で一番高い発現を示したが、大脳の発現と比較すると約6分の1であった。RAW264.7細胞株の発現が一番低く、C-1300の約35分の1であった。DNAメチル化解析より、すべての細胞株において、CpGアイランドを含む9-46番目のCpGにおいて、非メチル化状態を示した。一方で、1-8番目のメチル化頻度(%)は、細胞株ごとに様々であった。 【意義および重要性】PrP遺伝子のメチル化状態を初めて明らかにした。PrP遺伝子プロモーター領域を含むCpGアイランドにおいて、調べたすべての組織および細胞株で非メチル化状態を示した。これらのことは、すべての組織や細胞において、PrP遺伝子が発現している結果と一致する。一方で発現量は様々であり、組織、細胞特有な上流部のメチル状態が、転写に影響を与えていると考えられる。
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