2014 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムに飛来する渡り鳥の高病原性鳥インフルエンザウイルス感染の実態調査
Project/Area Number |
24580446
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀田 こずえ 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70466192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 壽啓 鳥取大学, 農学部, 教授 (00176348)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ベトナム / 鳥インフルエンザウイルス / 渡り鳥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北部ベトナムに飛来する渡り鳥の糞便から、渡り鳥におけるH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスの自然環境での感染状況を把握し、渡り鳥による鳥インフルエンザウイルス伝播の実態を明らかにすることを目的とする。 当該年度は、まず最初にH26年度に採取した糞便から分離された株の同定を行うと同時に野鳥種の同定も行った。その結果、分離された7株は全てH7N7亜型で、低病原性鳥インフルエンザウイルスであった。さらに、これらの糞便の野鳥種をミトコンドリアDNAをシーケンスすることにより同定した。その結果は、7検体ともAnas crecca カモ目カモ科カモ亜科マガモ属コガモの糞便であることが明らかになった。 次にH27年度の渡り鳥の糞便をベトナム、Nam Dinh省、Xuan Thuy国立公園にて10月に行い、計147検体を糞便を採取した。これらの検体を10日齢ニワトリ有精卵に接種後、経過を観察し、漿尿液を回収した。HA試験により、HA陽性だった漿尿液は、簡易インフルエンザウイルス検出キットおよびRT-PCR法にて、鳥インフルエンザウイルスA型であることを確認した。さらに、RT-PCR法にて亜型も決定した結果、10株 (6.8%)の鳥インフルエンザウイルスが分離され、1株がH3N8亜型ウイルス、9株がH4N6亜型ウイルスであった。 本研究では、ベトナムに飛来する渡り鳥が保有していた鳥インフルエンザウイルスは低病原性であったが、高病原性鳥インフルエンザウイルスが流行している地域を経由して飛行している場合もあるため、定期的な調査が必要である。また、本研究で導入した、糞便を用いたミトコンドリアDNAのシーケンスにより野鳥種の同定が行えることは、とても有用な方法と考え、今後の疫学調査に役に立つと考える。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] A novel immunochromatographic system for easy-to-use detection of group 1 avian influenza viruses with acquired human-type receptor binding specificity.2014
Author(s)
Watanabe Y, Ito T, Ibrahim MS, Arai Y, Hotta K, Phuong HV, Hang NL, Mai LQ, Soda K, Yamaoka M, Poetranto ED, Wulandari L, Hiramatsu H, Daidoji T, Kubota-Koketsu R, Sriwilaijaroen N, Nakaya T, Okuno Y, Takahashi T, Suzuki T, Ito T, Hotta H, Yamashiro T, Hayashi T, Morita K, Ikuta K, Suzuki Y
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Journal Title
Biosens Bioelectron.
Volume: 65
Pages: 211-219
DOI
Peer Reviewed / Open Access