2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580455
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
筒井 俊之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所 ウイルス・疫学研究領域, 領域長 (70391448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家畜伝染病 / 防疫戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに考案した防疫戦略に影響を与える三要因(外的、中間的、内的)と防疫実施主体の戦略機能分類に基づいて、豚コレラ流行時の防疫について事例研究を実施した。その結果、この理論的枠組みによって防疫対策の評価や課題を明確にすることが可能であり、家畜防疫理論の基礎を提供できることが明らかとなった。 疾病発生時の防疫作業における人員配備について検討するため、過去の鳥インフルエンザ(AI)発生事例に関する資料を用いて、発生農場での防疫作業に必要な人員について分析した。さらに、都道府県毎の養鶏農家の飼養規模を考慮して、AI発生時に政府が目標とする72時間以内の鶏の処分を終了することが各都道府県職員のみできる確率について、モンテカルロシミュレーションを用いて推定した。過去のAI発生事例57戸の分析の結果、肉用鶏農場では規模が大きくなるほど一人当たりの殺処分数が増加し、15万羽規模の農場では一人当たりの処理羽数が200羽を超えていた。一方、採卵鶏農場では飼養規模が大きくなっても一人当たりの処理羽数は100羽前後で頭打ちになる傾向が見られた。農場規模と処理羽数の関係をあらわす最適曲線を求め、各都道府県の動員可能数を一般職員の10%としてシミュレーションを実施した結果、20の都道府県でAI発生時に72時間以内に処分を終了できない確率が5%を超えた。同時に2戸発生した場合には、この確率は30の都道府県で5%を超えた。対応できない場合の平均不足人数は358人となり、このような場合は多くの人的支援が必要となることが明らかとなった。北海道を除く地域を東北、関東、中部、近畿、中四国、九州6つのブロックに分けて対応した場合、5%の職員動員でも4戸の同時発生までどのブロックも95%の確率で対応可能と推定された。したがって、家畜伝染病発生時の対応をブロック単位で検討することも有用であると考えられた。
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Research Products
(3 results)