2014 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスを活かした地域クラスター形成と補完モデルの構築
Project/Area Number |
24580472
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辻 宣行 北海道大学, 農学研究院, 研究員 (40236881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寿樹 北海道大学, 農学研究院, 研究員 (10532468)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 自給ポテンシャル / 相互補完 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低炭素型持続可能な地域づくりに関し、北海道の広域的多層的連携構造(クラスター)を提言し、北海道の自立モデルの確立を視野に入れた低炭素社会・持続的社会に向けた最適な北海道の総合地域連携モデルを提示する。 北海道を6つの経済圏(道央、道南、道北、十勝、オホーツク、釧路・根室)に分けて考え、更にこれらの経済圏を、振興局ごとに考える。粗い計算ではあるが、今回、食料、エネルギー(バイオマス)に関する自給ポテンシャルを北海道内の振興局および経済圏別で分析し、地域が連携し物質とエネルギーを相互補完することにより、北海道は低炭素社会に向けた自給構造を確立できるポテンシャルを有していると考えられた。これは、生態系を考慮しつつ農村地域のバイオマスを徹底的に利活用し、地域内有機物循環システムを構築した上で成り立つ構造である。また、特に重要と考えられることが、都市と農村の関係である。バイオマスの観点からすると、都市は全面的に食料とエネルギーを農村に依存する構造に対し、持続的循環を考慮した農村への補完・補償システムを構築する必要がある。つまり、都市住民から排出される食料廃棄物や汚泥廃棄物を堆肥化し、農村に還元するなどの循環システムが重要であり、さらに、都市は農村の食料やバイオマスエネルギーの基になる生態系サービスに対して、補償することが求められる。これはクレジットなどの金銭的補償と同時に人材や技術での貢献も考えられる。 よって、次のことが地域連携による低炭素型自給構造を確立する要素となると考える。①農村地域のバイオマス循環・徹底利用システムの構築。②都市-農村連携による有機物・エネルギー補完と生態系サービス補償システムの構築。
|