2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580475
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 浩文 静岡大学, 農学部, 准教授 (70322138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金原 和秀 静岡大学, 工学部, 教授 (30225122)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 乳酸発酵 / 白色腐朽菌 / 木質バイオリファイナリー / バイオリアクター |
Research Abstract |
白色腐朽菌Phanerochaete chrysosporium由来乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のクローニングを行い、本遺伝子が二次代謝系において高発現するような発現プラスミドを構築した。本プラスミドを、高活性リグニン分解菌P. sordida YK-624株へ形質転換したところ、21株の目的遺伝子導入株を取得した。これらの菌をリグニン分解性培地に接種し、半嫌気条件下にて培養を行い、培地中に産生される乳酸量を測定したところ、全ての遺伝子導入株で野生株(12 mg/L)より高い乳酸生産(~40 mg/L)が認められた。 この中でも最も乳酸生産量が高かったML18株についてさらに詳細に検討したところ、培養12日間で80 mg/Lの乳酸生産が観察された。 一方で、セルロースを効率的に分解するため、セルロース分解酵素遺伝子群のクローニングを行い、完全長エンドグルカナーゼ遺伝子、及び部分エキソグルカナーゼ遺伝子及びβ-グルコシダーゼ遺伝子の取得に成功した。 さらに、乳酸生産用遺伝子プロモーターの選抜を行い、一次代謝系高発現遺伝子としてactinを選抜し、本遺伝子プロモーター約1500 bpの取得に成功した。 また、これまで白色腐朽菌の固体培養用バイオリアクターに関する研究が極めて少なく、白色腐朽菌を用いた木質バイオリファイナリーの実用化を考えた場合、この様なバイオリアクターの設計及び作成が必要不可欠である。そこで本年度、バイオリアクターの製作を行い、フラスコレベルで観察されるリグニン分解が再現可能なバイオリアクターの開発に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の達成目標である「乳酸生産用遺伝子プロモーターの取得」に成功し、セルロース分解酵素遺伝子3種のうち、エンドグルカナーゼ遺伝子については完全長ゲノムDNAの取得が完了し、残り2種の遺伝子についてその大部分の取得が成功している。 さらに、固体培養用バイオリアクターの開発にも成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
白色腐朽菌由来乳酸デヒドロゲナーゼの高発現では、現在80 mg/Lの乳酸生産量しか観察されていない。そこで今後は乳酸菌由来乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子をP. sordida YK-624株へ導入することで、乳酸生産量の改善を試みる。 またセルロース分解酵素遺伝子群のクローニングを完了させ、これら遺伝子群と乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子が同時に高発現するプラスミドを構築し、P. sordida YK-624株に形質転換することで、木質バイオマスからのワンステップ乳酸生産菌の分子育種を試みる。 バイオリアクターとしては、まずは固体培養にて脱リグニンを行い、そこで乳酸発酵用液体培地を添加し、乳酸を生産するような、固体→液体連続培養法の最適化を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(1 results)