2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580475
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 浩文 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70322138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金原 和秀 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30225122)
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Keywords | 乳酸発酵 / 白色腐朽菌 / 木質バイオリファイナリー / バイオリアクター |
Research Abstract |
昨年度までに、高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株を宿主として、本菌由来乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)遺伝子高発現株を取得し、高発現株による乳酸生産を評価したが、最大で80 mg/Lの生産性しか示さなかった。原因として、P. sordida YK-624株由来LDH遺伝子由来タンパク質の比活性が低い事が推測された。そこで、乳酸菌Bifidobacterium longum由来LDH遺伝子をコドン最適化後、P. sordida YK-624株へ導入した。その結果、23株の目的遺伝子導入株を得たため、これら菌株の乳酸生産について評価したが、乳酸生産が認められなかった。 また解糖系より生じたピルビン酸が出来る限り酸素呼吸に使われないようにするため、呼吸系の阻害剤であるα-シアノ桂皮酸エチルを添加し、野生株における乳酸生産に対する影響を検討した。その結果、α-シアノ桂皮酸エチル添加により乳酸生産の低下、エタノール生産の増加が認められた。つまり、解糖系より生じたピルビン酸はLDHの作用を受けるより速くアルコール発酵系に流れていることが示唆された。現在、アルコール発酵における鍵酵素であるピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子ノックダウンシステムを構築中である。 セルラーゼ遺伝子については、β-グルコシダーゼ及びエンドグルカーゼ完全長ゲノムDNAの取得が完了し、エキソ型については部分配列まで取得に成功している。また、遺伝子高発現プロモーターとして、actin遺伝子プロモーターの取得が完了した。 さらに、固体培養用バイオリアクターの開発では、フラスコレベルで観察されるリグニン分解より優れたバイオリアクターの開発及びその最適化に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に達成した乳酸生産量(80 mg/L)を改善出来なかったため。そのため、現在、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子ノックダウンシステムを構築しており、今後、乳酸生産量の改善は十分見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子ノックダウンシステムを構築するとともに、これまでに得た遺伝子プロモーターを用いてLDH高発現株を取得し、乳酸生産量が改善されるかどうか検討する。 改善された場合、セルロース分解酵素遺伝子高発現プラスミドも導入し、先に開発したバイオリアクターにおける乳酸生産について検討する。
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