2012 Fiscal Year Research-status Report
オゾンバイクロバブルを用いた養液殺菌と野菜の生産性向上が同時に可能な養液栽培
Project/Area Number |
24580484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉置 雅彦 明治大学, 農学部, 教授 (20227268)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オゾンマイクロバブル / 殺菌 / キレート剤 |
Research Abstract |
オゾンマイクロバブル(O3MB)には高い殺菌特性と、O3MBが酸素に瞬時に変化し野菜の生育に必要な酸素を培養液中で維持することを見出し、O3MBを用いた高生産性の養液栽培システムの確立を目指している。しかし、オゾンは強力な酸化力を有し、培養液中に溶解しているFeやMnを沈殿させる。対策として、キレート剤添加により沈殿防止が可能であることを見いだした。しかし、キレート剤の種類、濃度と野菜の生育との関係については未解決であるので、これらの点を明らかにすることを目的とした。平成24年度は、コンテナを用いて野菜を栽培して基礎的データを取得し、添加するキレート剤の種類、濃度と植物の生育との関係、さらには培養液の殺菌に及ぼす影響について検討した。 EDTAまたはDTPAキレート剤を添加したところ、添加濃度が濃いほどFeとMnは培養液中に再溶解した。キレート剤を添加すると培養液中のpHの低下が認められたが、pH調整の有無はFeとMnの再溶解量に影響を及ぼさなかった。さらに、O3MBを発生させてキレート剤を添加した後に再度O3MBを発生させても、培養液中のFeとMnの濃度に影響が認められなかった。O3MBは植物の生育に影響を与えなかったが、キレート剤を重量比(w/v)で0.1、0.01または0.001%添加すると、植物の生育不良が認められた。しかし、0.0001%の添加では生育への影響はなかった。また、キレート剤の添加はO3MBの殺菌効果に影響しなかった。以上の結果から、培養液殺菌にO3MBを利用する際のキレート剤添加は、重量比(w/v)で0.0001%濃度の添加では植物の生育への影響はなく、培養液中のFeとMnの再溶解が可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、コンテナを用いて野菜を栽培して基礎的データを取得することを目的意図し、添加するキレート剤の種類、濃度と植物の生育との関係、さらには培養液の殺菌に及ぼす影響について明らかにすることを目標とした。その結果、EDTAまたはDTPAキレート剤を用いたが、種類による影響はないことを見出した。添加濃度が濃いほどFeとMnは培養液中に再溶解したが、キレート剤を重量比(w/v)で0.1、0.01または0.001%添加すると、植物の生育不良が認められるが、0.0001%の添加では生育への影響はないことを見出した。また、キレート剤の添加はO3MBの殺菌効果に影響しないことを見出した。したがって、当初の計画通りに順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、60Lコンテナの代わりに、温室内の研究用培養液循環型水耕装置を用いて生産現場を想定した実験を行う。平成24年度の実験で得られた、培養液中に添加するキレート剤の種類、濃度、に関する基礎的知見を基に、ホウレンソウとレタスを栽培して、生育、培養液殺菌に及ぼす影響を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)