2013 Fiscal Year Research-status Report
オゾンバイクロバブルを用いた養液殺菌と野菜の生産性向上が同時に可能な養液栽培
Project/Area Number |
24580484
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉置 雅彦 明治大学, 農学部, 教授 (20227268)
|
Keywords | オゾンマイクロバブル / キレ-ト剤 / 培養液殺菌 |
Research Abstract |
培養液の殺菌を目的としたオゾンマイクロバブル(O3MB)の発生後のキレート剤添加が、培養液の肥料組成、植物病原菌の殺菌および植物(ホウレンソウ、レタス、コマツナ)の生育に及ぼす影響を検討した。 O3MBを培養液中に発生させると沈殿が生じ、FeとMn濃度の減少が認められた。そこで、EDTAまたはDTPAの2種類のキレート剤を添加したところ、添加濃度が濃いほどFeとMnは培養液中に再溶解した。キレート剤を添加すると培養液中のpHの低下が認められたが、pH調整の有無はFeとMnの再溶解量に影響を及ぼさなかった。さらに、O3MBを発生させてキレート剤を添加した後に再度O3MBを発生させても、培養液中のFeとMnの濃度に影響が認められなかった。 O3MBはいずれの植物の生育にも影響を与えなかったが、キレート剤を重量比(w/v)で0.1、0.01または0.001%添加すると、全ての植物で生育不良が認められた。しかし、0.0001%の添加では生育への影響はなかった。また、キレート剤の添加はO3MBの殺菌効果に影響しなかった。 以上の結果から、培養液殺菌にO3MBを利用する際のキレート剤添加は、重量比(w/v)で0.0001%濃度の添加では植物の生育への影響はなく、培養液中のFeとMnの再溶解が可能であることから、キレート剤を使用したO3MBによる培養液殺菌が水耕栽培での新しい殺菌技術として利用可能であると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的にしたがった研究成果が得られており、順調であると判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
おおむね良好な成果が得られているので、当初の実施計画以外の項目についても、検討していきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究補助者の雇用を計画していたが、大学院生と学生が当初予定よりも頑張ったおかげで、補助者の雇用が必要でなくなった。また、旅費を計上していたが、大学予算を旅費に充当した。 当初の計画以上の実験を行う計画なので、研究補助者の雇用に必要である。
|
Research Products
(2 results)