2014 Fiscal Year Annual Research Report
光スイッチシグナルの抑制機構の解明と管理された光環境に適した植物の開発
Project/Area Number |
24580498
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
清水 正則 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (40468236)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光防御機構 / 光スイッチ / 葉緑体 / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、光防御機構の1つである光スイッチ機構に関与すると考えられるCSKや他の光防御機構であるPGR5、STN7を抑制したシロイヌナズナにおける光スイッチ機構への影響を検討した。また、光合成抑制因子として選抜されたsug変異系統のうちSUG102の機能解析を行った。 (1)光スイッチ機構に及ぼす循環的電子伝達系およびステート遷移の役割:PGR5およびSTN7の遺伝子破壊系統における光スイッチ機構への影響を検討するためDCMUおよびDCMIB存在下におけるpsaAおよびpsbAの発現解析を行った。これらの結果から、PGR5は光スイッチ機構をONにする機能を持つこと、STN7は光スイッチ機構影響を与えないこと、が示唆された。また、同様の実験を行ったところCSKは光スイッチ機構をOFFにする働きを持つことが示唆された。これまでの成果によって、光スイッチ機構を抑制する条件と解除する働きを持つタンパク質が決定できたことは、管理された光条件下において光スイッチ機構を完全にONとOFFを制御することを可能にする点で本申請研究において重要な成果となった。しかし、PGR5やCSKにおける光スイッチ機構への影響は当初の予測とは異なっており、PGR5やCSKの光スイッチ機構への役割に新たな興味が生じた。 (2)新規の光防御機構に関与するsug変異系統の光スイッチ機構への関与:SUG102強制発現系統を緑化カルス誘導培地および通常カルス誘導培地を用いて生育したところ黄色色素の沈着が確認された。これら系統の代謝産物を比較したところクロロフィルの中間産物である可能性が示唆された。また、SUG102破壊系統カルスにおける発現解析の結果、CSKと同様の働きを持つことが示唆された。さらに研究を進めることによってSUG102の機能を明らかにしていく。
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