2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24590007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松尾 淳一 金沢大学, 薬学系, 教授 (50328580)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thromboxane A2 (TXA2)は, 血小板凝集作用を有する生理活性物質である. TXA2の生体内半減期は32秒と極めて短く, Thromboxane B2 (TXB2)へ速やかに加水分解される. また, 化学的手法によりTXB2からTXA2へと変換できることが報告されている.一方我々は, 3-エトキシシクロブタノンに対しルイス酸を用いることにより双極子活性種が生じ, アルデヒドとの[4+2]環化付加反応により環化付加体テトラヒドロ-γ-ピロンが得られることを見出している. さらに, 室温に昇温するとエタノールが脱離し, エノン(ジヒドロ-γ-ピロン)を与える. また, シクロブタノンの2位側鎖が嵩高いほど、対応するエノンは トランス体が優先して生成するということを見出している。そこで、TXB2のC8位の側鎖を有するシクロブタノン及びアルデヒドとの [4+2]環化付加反応を用いて環化体を合成することにより, TXB2の炭素骨格を簡便に構築できると考えた. このようなTXB2の合成法は報告されておらず, 新たな合成法の開発を目指し, 研究を開始した.その結果、TMSOTfを用いた場合, 再現性良く目的とする環化付加反応が進行し、環化体が好収率にて得られた。続いて環化体からエタノールを脱離させエノンを得た. 次に, エノンに対し(-)-DIPClを用いて還元した後, ジアステレオマーを分離し, アルコールを得た. 続いて, アルコールをLuche還元によりジオールへと導いた. 最後に, ジオールを加水分解し, 得られたカルボン酸を水和することにより, TXB2の合成を達成した。
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Research Products
(4 results)