2014 Fiscal Year Annual Research Report
アジド試薬を窒素源とする芳香族アミンとアジド化合物の不均一系触媒依存的選択的合成
Project/Area Number |
24590015
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
門口 泰也 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433205)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 芳香族第一級アミン / 芳香族アジド / 不均一系触媒 / 銅 / 機能性物質 / 触媒・化学プロセス / 有機化学 / 合成化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
芳香族第一級アミンおよびアジド化合物は、医薬品や農薬をはじめとする様々な機能性物質の合成中間体として応用性の高い化合物である。我々はすでに銅を用いてアジ化ナトリウムと芳香族ハロゲン化合物をクロスカップリングすると、芳香族アジドではなく芳香族第一級アミン類が選択的に得られることを見出している。本申請研究では、将来的な工業プロセスを念頭に置き、回収・再利用が可能な不均一系固定化銅触媒を調製し、芳香族第一級アミンとアジド化合物の触媒(担体)依存的な選択的合成法を開発した。 様々な金属イオンに対するキレート形成能を有するイミノジ酢酸構造、あるいはポリアミン構造を含有するポリスチレン-ジビニルベンゼン系キレート樹脂、ダイヤイオンCR11(イミノジ酢酸型)およびCR20(ポリアミン型)と硝酸銅三水和物を室温で撹拌することで、固定化銅触媒(12% Cu/CR11及び7% Cu/CR20)を調製した。詳細な条件検討の結果、芳香族ハロゲンとアジ化ナトリウムの反応において、80% エタノール中12% Cu/CR11を触媒とすると芳香族アジドが、またDMA中7% Cu/CR20を触媒とすると芳香族アミンが選択的に生成することを明らかとした。 芳香族アジド化反応において、触媒の回収・再利用を繰り返すと徐々に活性が低下したことから、その理由を明確にするために、本年度は5回の再利用検討における、触媒からの各反応液中への溶出銅種を原子吸光法にて測定した。その結果、6%~12%の銅種の溶出が観測され、再利用による触媒活性の低下は銅種が触媒から反応液中に溶出したことに起因するものと考察した。また、反応後に銅を担持していないキレート樹脂CR11を添加し室温で3時間撹拌すると、銅種のCR11への吸着により銅の溶出を約半量に抑えることができた。したがって、銅種の捕捉にキレート樹脂の添加が有効であることが明らかになった。
|