2014 Fiscal Year Annual Research Report
ビスオキサゾリンリガンドの特性を利用した新規連続反応の開発
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24590026
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
加藤 恵介 東邦大学, 薬学部, 教授 (80276609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 太一 東邦大学, 薬学部, 講師 (00600032)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パラジウム / カルボニル化 / ジアリールケトン / フラノン |
Outline of Annual Research Achievements |
BoxがPd(II)の配位子となることで“Pd(II)のπ-bindingなルイス酸性を強くする” という、独自に見出したboxリガンドの特性に基づき、新規連続反応の開発を行うと共に合成した新規化合物の生物活性評価を行った。 目的1 Box-Pd(II)触媒によるヘテロ原子のアルキンへの環化反応を利用して、単純な化合物から2つの複素環を持つケトン類を一挙に合成できるCCC coupling反応を開発した。平成24年度および25年度は、フラノン環、オキサゾール環、ベンゾフラン環、キノリン環、フラン環、ピラゾール環、2-アミノ-2-オキサゾリン環、平成26年度はこれらに加え、医薬品化学的に重要な複素環であるインドール環やベンゾチオフェン環を構築する反応にも適用できることを明らかにし、本反応の一般性を確立した。 目的2 Box-Pd(II)触媒を利用した環化-カルボニル化-脱炭酸-環化反応によって、単純なプロパルギルカルバメートから5-メトキシ-3(2H)-フラノン類を合成できる新規連続反応を開発した。平成24年度および25年度は、反応条件の最適化や反応機構の解明を目的とした13COを用いたコントロール実験、さらに本反応を利用したC-17位にスピロフラノン構造を有する新規ステロイド類の合成を行った。また生成物の立体化学は、研究協力者(持田智行 教授)との共同研究としてX-線結晶構造解析により決定した。平成26年度は、本反応の初めての不斉触媒化に成功すると共に基質一般性の検討を行った。合成した化合物のアンドロゲンおよびエストロゲン作用について評価した結果(連携研究者、井上義雄 名誉教授との共同研究)一部のジアリールケトン類において、アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する新規化合物を見出すことができた。受容体調節作用を有する化合物を見出すべく、現在も活性評価を継続して行っている。
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Research Products
(17 results)