2012 Fiscal Year Research-status Report
N-アルコキシアミドおよびイミン類の特異な性質を活用するドミノ型反応の開発
Project/Area Number |
24590039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (00340935)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ラジカル / イソキサゾール / ドミノ反応 / 共役イミン |
Research Abstract |
アルコキシアミン類のラジカル安定化効果および酸素-窒素結合開裂の容易さを利用し、エステルとO-フェニルオキシエーテルに共役したアルケンを基質として用いて、ラジカル反応と[3,3]-シグマトロピー転位が連動するドミノ型反応をトリエチルボランをエチルラジカル源として用いて検討した。その結果、エチルラジカルの位置選択的付加、N-ボリルエナミンの[3,3]-シグマトロピー転位、閉環およびラクタム化反応が連続して進行し、benzofuro [2,3-b] pyrrol-2-one が期待通り得られることが明らかとなった。また、エステル部分の効果について検討したところ、電子求引基をもつフェニル基を有する基質の場合に、効率よくドミノ型反応が進行し、特にペンタフルオロフェニルエステルを有する基質では、最も高い収率で目的のベンゾフロピロールを与えることわかった。 また、共役オキシムエーテルの更なる有用性を確立するために、アルキンに共役したO-ベンジルオキシムエーテルの遷移金属触媒を用いた閉環反応と続く転位反応による三置換イソキサゾールの合成研究を行った。その結果、銅触媒を用いた場合に、効率よく閉環―転位反応が進行し様々な三置換イソキサゾールの合成が可能であることが明らかとなった。交差実験の結果から、本反応は、ベンジルカチオンの生成と分子内カチオンシフトを経由して進行し、イソキサゾールが生成したと考えられる。以上のように、銅触媒による三置換イソキサゾールの新規合成法の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書に記載した目的の新規ドミノ型ラジカル反応の開発に成功したが、置換基効果や基質一般性、反応経路の解明などの詳細な検討は達成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に開発したラジカル反応と[3,3]-シグマトロピー転位が連動する新規ドミノ型反応の置換基効果や基質一般性、反応経路の解明などの詳細な検討を行う。また、これと並行して当初の予定通り、パラジウム触媒による新規イソキノリン合成法の開発研究も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は16834円であるが、意図的に残したものである。すなわち、研究費を消費するために、早急に使用する予定のない試薬や物品を購入することは、無意味であると考えられる。したがって、次年度の必要なときに、必要なものを購入するために、少額ではあるが残高として、16834円が残った。この残高と次年度配分予定の研究経費を主に、基質合成のための試薬、触媒や溶媒に使用する。また、学会発表を通じて研究成果を公表するために、旅費としても研究費を使用する。
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Research Products
(2 results)