2013 Fiscal Year Research-status Report
N-アルコキシアミドおよびイミン類の特異な性質を活用するドミノ型反応の開発
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24590039
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00340935)
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Keywords | 複素環合成 / 遷移金属触媒 / Weinreb アミド |
Research Abstract |
一般に、ヘテロ原子に隣接したアミン類は、α効果による求核性の向上などの特異な反応性を示すことが知られている。そこで、今回は、N-アルコキシアミン類の更なる有用性を開拓する目的で、N-アルコキシアミドを求核部位としたアルキン類への分子内付加反応を検討した。はじめに、オルト位にアルキンを有する安息香酸のWeinrebアミド誘導体を基質として、塩化銅を用いた閉環反応を様々な条件下で検討した。まず、塩化銅(II)を用いてアセトニトリル中還流条件下で閉環反応を行った。その結果、位置選択的に5-exo-dig様式で閉環反応が進行し、塩素原子が同時に導入されたイソベンゾフラノンが57%の収率で得られた。次に、NCSを添加して検討したところ、収率が90%に向上することが明らかとなった。また、本反応は、基質一般性にも優れており、様々な置換基をもつ基質の閉環反応を行った場合でも、その電子的要因にはあまり影響されず、いずれの場合も収率良くイソベンゾフラノンが得られた。次に、パラジウム触媒を用いた安息香酸のWeinrebアミド誘導体について検討した。触媒として塩化パラジウムを用いて、ベンゾキノン存在下、1,2-ジクロロエタン中、還流条件下で反応を行ったところ、塩化銅を用いた反応とは異なり、位置選択的に6-endo-dig様式の閉環反応が進行し、4位に水素原子が導入されたN-メチルイソキノリノンが66%の収率で得られることを見出した。また、重水素化実験の結果から反応経路の解明にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、平成25年度はWeinrebアミドの閉環反応による複素環合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
ラジカル反応を用いるドミノ型反応を完成させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究室所属の学生数の減少に伴い、使用額が予定より減少した。 翌年度は、学生数が増加することが確定しており、研究を予定通り遂行することができる。主に、試薬や溶媒に使用するが、国外での学会で成果発表するために、旅費としても使用する。
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Research Products
(5 results)