2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24590044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 貴章 東北大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (40344684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 知行 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10203712)
李 宣和 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (60519776)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分析科学 / 生体分子 / タンパク質 / プロテオーム |
Research Abstract |
アルブミン消化ペプチドの分析条件を最適化するため、アルブミン標品および後述の各種修飾反応により調製する修飾アルブミンの 各種酵素消化物を用い、正イオンの検出モードのLC/ESI-MS/MSにより全配列をカバーする消化ペプチド群の検出並びに分離の条件を精査した。修飾アルブミンの調製は、過酸化水素、Cu(II)/アスコルビン酸、ペルオキシナイトライト (ONOO-)、次亜ハロゲン酸 (HOCl、HOBr)、過酸化脂質分解物、グルコース、ピリドキサール 5-リン酸を、それぞれアルブミン標品とインキュベートして得た。これに含まれる修飾アルブミンをMALDI-TOF/MSならびにLC/ESI-MS/MSに付し、修飾の種類ならびに修飾位置を決定した。このとき、UNIMOD websiteを利用することで既知の修飾情報の解析効率を向上可能であった。また、電場型フーリエ変換質量分析計を用いた測定結果をデータ解析ソフトウェアXC-MSにより比較することで修飾ペプチドの検出を容易にし、さらに三連四重極型質量分析計を用いたSRMによる選択的検出法を確立した。これらと並行し、固定化抗体を用いた市販のアルブミン除去カラムを評価し、血漿中のアルブミンを抽出可能である条件を設定した。エドマン分解物のキラル分析を目的として同位体希釈LC/MSによるエドマン分解物の高感度定量法を確立し、重水中でのエドマン分解反応におけるラセミ化による重水素化率の測定によるアミノ酸異性化率補正の可能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は対象タンパク質をアルブミンとして、分子上の修飾情報の基礎的解析手法の構築を主眼に検討を行い、主要な目的をほぼ達成した。一部、測定条件の最適化に関しては未達であるが、次年度対象とするヘモグロビンの解析法と併せて検討可能である。また、当初の計画に先行してヘモグロビン上の修飾解析法の基礎検討に着手済みであり、全体計画の中では概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘモグロビン消化ペプチドの分析条件の最適化を目的とし、標品および修飾ヘモグロビンの各種酵 素消化物を用い、全配列をカバーする消化ペプチド群の検出並びに分離の条件を精査する。これと並行して赤血球分画からのヘモグロビン及び修飾体の包括的抽出条件を最適化する。また、修飾ヘモグロビンの調製と構造解析を行うため、市販のヘモグロビンを、各種化学修飾反応に付し、修飾ヘモグロビンを得る。これら修飾ヘモグロビンをMALDI-TOF/MSならびにLC/ESI-MS/MSに付し、修飾の種類と修飾位置の決定を行なう。修飾によりプロテアーゼに認識されない部位が生ずる可能性もあり、酵素消化ペプチドの解析が複雑化すると考えられるが、アルブミンに対して用いた手法を応用してこれを回避し、シークエンスカバー率の向上を検討する。また、キラルエドマン型試薬、検出指向型エドマン試薬を用いて、反応性及び定量性の面からこれらの有用性を評価する。 以上の検討結果を基にして、最終年度に一連の分析法の最適化と実試料の評価を行い、可溶性タンパク質の化学修飾プロファイリング法として応用可能な一般性を検証する。さらに実試料を用い血液中の修飾アルブミン及び修飾ヘモグロビンの解析を行い、構築した分析法の有用性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(6 results)