2013 Fiscal Year Research-status Report
グリコサミノグリカン由来免疫賦活活性糖鎖配列の徹底解明
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24590046
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
戸井田 敏彦 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60163945)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 活性中心 / 糖鎖配列 / 経口吸収 / 免疫賦活活性 / 質量分析 |
Research Abstract |
血液中に存在するトリプシンインヒビタービクニンに結合する低硫酸化コンドロイチン硫酸鎖の硫酸化配列解明に引き続き、皮膚デルマタン硫酸プロテオグリカンデコリンに結合するグリコサミノグリカン糖鎖の配列(シークエンシング)に成功した。トリプシンインヒビターに関しては、タンパク質結合領域の近傍で、高度に制御された硫酸化パターンを検出ることができた。また主に皮膚の細胞外マトリックスの主要成分として存在するデコリンに結合するデルマたん硫酸糖鎖に関しても、ある一定の硫酸化パターンの繰り返し構造や、グルクロン酸、イズロン酸の配列パターンが存在することを明らかにすることができた。 これまで乱雑な、不特定の糖鎖配列を示すものと推定されていたグリコサミノグリカンが、極めて制御された一定の配列によって構成されていることを世界で初めて、質量分析計を用いて証明することに成功した。更にMS/MS分析の結果、質量数が同等の上記2種類のウロン酸残基を正確に判別することが可能となり、糖鎖生物学への寄与が期待できる方法であることを示すことができた。 また経口投与した比較的分子量の高い(1万5千程度)コンドロイチン硫酸が、腸管吸収されることを放射性同位体を用いることなく明らかにした。さらに、これまで吸収されにくいと判断されていたのは、血液中に存在するヒアルロニダーゼによる分解が原因であることを新たに突き止めた。得られた成果は、現在汎用されている機能性食品としてのコンドロイチン硫酸の生理活性、そのメカニズム解明に貢献する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
思いがけず構造活性中心、すなわちコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸における硫酸化を含む糖鎖配列が、高い生理的制御下に置かれていることを明らかにすることができた。また経口吸収されていたコンドロイチン硫酸が、なぜ血中に検出されなかったのかの、長年の疑問を解明することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で終了するため、論文としてまとめる予定である。
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Research Products
(9 results)