2014 Fiscal Year Annual Research Report
膜電位に支配される電位依存性イオンチャネルの構造と機能発現機構
Project/Area Number |
24590048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大澤 匡範 東京大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (60361606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 一夫 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (70196476)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電位依存性イオンチャネル / SS-locking / 構造変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
電位依存性イオンチャネルは、膜内外の電位差(膜電位)に応じてイオン透過路を開閉し、特定のイオンの膜透過を制御するタンパク質である。これまでに、膜電位の存在していない「活性化状態」での立体構造が報告されているが、従来の構造生物学的手法では膜電位存在下での解析が困難であるため、静止状態の立体構造は不明であり、その電位依存的な動作機構は未解明であった。そこで本研究では、電位依存性K+チャネルKvAPの電位センサードメイン(VSD)を解析対象とし、膜電位依存的な構造変化様式を解明することを目的とした。 これまでにVSDの4本の膜貫通へリックス(S1-S4)のうち、S1とS4に1残基ずつCys変異を導入し、両者が近接するときに形成されるジスルフィド結合を検出する手法(SS-locking)を確立した。Cys変異導入残基は、S1上で4箇所、S4上は9箇所を候補とし、4x9=36種類の変異体を作成し、リポソームに組み込んだ。さらに、リポソーム内外の塩濃度差を利用して膜電位を形成し、ジスルフィド結合の形成に最適な反応条件を見出した。これらの技術を統合することにより、膜電位依存的なジスルフィド結合形成を検出する手法(膜電位依存的SS-locking法)を確立した。上述の36変異体に本手法を適用した結果、膜電位存在下でのみジスルフィド結合を形成する変異体、および、膜電位「非」存在下でのみジスルフィド結合を形成する変異体を見出し、膜電位依存的な構造変化を捉えることに成功した。
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[Journal Article] Structural basis for the binding of the membrane-proximal C-terminal region of chemokine receptor CCR2 with the cytosolic regulator FROUNT.2015
Author(s)
Esaki K, Yoshinaga S, Tsuji T, Toda E, Terashima Y, Saitoh T, Kohda D, Kohno T, Osawa M, Ueda T, Shimada I, Matsushima K, Terasawa H.
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Journal Title
FEBS J.
Volume: 281
Pages: 5552-5566
DOI
Peer Reviewed
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