2013 Fiscal Year Research-status Report
転写・スプライシング因子PQBP1のコネクター機能の検証
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24590049
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
水口 峰之 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (30332662)
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Keywords | タンパク質 / 天然変性蛋白質 / 解離定数 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
Polyglutamine tract-binding protein 1 (PQBP1)は265残基からなるタンパク質であり、N末端側にWWドメイン、C末端側にC末端ドメインを有する。WWドメインはRNAポリメラーゼIIのYSPTSPSリピート配列やWBP11のプロリンリッチ配列に結合し、C末端ドメインはスプライソソームのU5-15kDに結合する。本年度は、PQBP1のコネクター機能を検証するために、PQBP1のWWドメインとWBP11のプロリンリッチ配列の結合を定量的に解析した。この実験ではWWドメインを含むPQBP1(1-94)のN末端をビオチン化し、センサーチップのストレプトアビジンに固定化した。結合解析には表面プラズモン共鳴を用いた。PQBP1(1-94)とプロリンリッチ配列を含むWBP11(455-469)との結合を調べたところ、解離定数が18±3 mircoMであった。また、WBP11(455-466)で同様の実験を行ったところ解離定数が214±52 microMだったことから、WBP11(467-469)のPPG配列が結合に寄与していることがわかった。さらに、WBP11(467-469)のプロリンをアラニンに変異させて同様の実験を行った。その結果、WBP11(462-465)のPPPG配列をアラニンに変異させると、PQBP1がWBP11に結合しないことを示すことができた。歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の原因タンパク質Atrophin1についても同様の解析を行った。プロリンリッチ配列を含むAtrophin1(632-643)とAtrophin1(629-643)を用いて結合解析を行った。その結果、PQBP1(1-94)とAtrophin1(632-643)の結合では解離定数が600 microMであり、PQBP1とWBP11の結合よりも弱いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに進んでいるため
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Strategy for Future Research Activity |
PQBP1のコネクター機能の検証のためには、PQBP1がWBP11およびU5-15kDに同時に結合できるかどうかを実験的に明らかにする必要がある。そのため、全長PQBP1、WBP11、U5-15kDの3分子が同時に結合するかどうかを検証できる実験系を構築する必要がある。全長PQBP1のN末端をビオチン化すると精製が困難であるため、WBP11またはU5-15kDをビオチン化し、センサーチップ上のストレプトアビジンに固定化する実験条件を検討する。
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Research Products
(6 results)