2014 Fiscal Year Annual Research Report
転写・スプライシング因子PQBP1のコネクター機能の検証
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24590049
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
水口 峰之 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (30332662)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タンパク質 / 天然変性蛋白質 / 解離定数 / 表面プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
Polyglutamine tract-binding protein 1 (PQBP1)は、265残基からなるタンパク質であり、N末端側にWWドメイン、C末端側にYxxPxxVLモチーフを有する。WWドメインは、スプラシング因子WBP11や歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の原因タンパク質atrophin-1に結合する。一方、YxxPxxVLモチーフはスプライシング因子U5-15kDに結合する。昨年度までの研究により、PQBP1のWWドメイン(48-81残基)を含むPQBP1(1-94)とWBP11(455-469)の解離定数が18 microMであること、PQBP1(1-94)とatrophin-1(632-643)の解離定数が約600 microMであることを明らかにした。今年度は、PQBP1の98-192残基を欠損した変異体(delta92-192)、90-192残基を欠損した変異体(delta90-192)、82-192残基を欠損した変異体(delta82-192)とWBP11(455-469)の結合を表面プラズモン共鳴(SPR)で解析し、それぞれの解離定数を13.7 microM、27.4 microM、114.8 microMと決定した。これらの結果から、PQBP1とWBP11の結合には、WWドメイン(48-81残基)だけでなく、82-94残基が必要であることがわかった。さらに本年度は、PQBP1がWBP11とU5-15kDの2分子に同時に結合するのかについて調べた。この実験では、WBP11(455-469)を固定化したセンサーチップ上に、PQBP1とU5-15kDの混合サンプルを流したときのSPRシグナルを観測した。また、PQBP1の濃度を一定(30 microM)とし、U5-15kDの濃度を0-200 microMの範囲で変化させた。実験の結果、U5-15kD濃度の増加にともなってSPRシグナルの上昇が観測された。また、delta98-192変異体を使って同様の実験を行ったところ同じ結果を得たが、PQBP1(1-94)ではSPRシグナルは上昇しなかった。これらの結果から、PQBP1はWBP11とU5-15kDに同時に結合するコネクター機能を有することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)