2012 Fiscal Year Research-status Report
薬物の選択的毛嚢デリバリーによる皮膚透過促進法の開発
Project/Area Number |
24590057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
藤堂 浩明 城西大学, 薬学部, 助教 (10383184)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 経皮吸収 / 毛嚢デリバリー / 皮内動態解析 |
Research Abstract |
アロンアルファ・グリース混合剤やvanishing creamを用いて毛嚢を塞いだ皮膚を介した薬物透過性試験から、薬物の物理化学的性質と毛嚢移行性の関係を調べた。また、薬物の毛嚢移行性を高める基剤としてエタノールに着目し、異なる濃度のエタノール溶液からの薬物の皮膚透過性に及ぼす毛嚢の寄与を明らかとした。 インクジェットプリンターに使用されているピエゾ素子および光学顕微鏡が付属したマニュピレーターを用いて数ピコリットルから数マイクロリットルの薬液を皮膚の毛嚢部位へ選択的に射出した。また、人口膜表面に、ピエゾ素子を用いて蛍光薬物含有液を射出し、蛍光薬物の膜表面および膜中での拡散を評価した。その結果、蛍光薬物の膜中分布は、画像解析により評価することが可能であり、かつ蛍光薬物の拡散性をFickの第2則に従う数式モデルで解析できる可能性が示唆された。またこれらの結果より、毛嚢を介した薬物透過の寄与や毛嚢内に浸透した薬物の皮内移行ルートや全身循環系への移行ルートに関して画像解析などを用いて評価できる可能性が示唆された。毛嚢中の薬物動態の正しい理解は、毛嚢に移行した薬物の皮膚局所分布や全身循環系への吸収を考えるときの有用な情報となりうる。また、毛嚢に移行した薬物の吸収性を改善するためにも非常に重要な情報を得ることとなる。 質量顕微鏡を用いたMSイメージングにより、皮膚局所に適用した物質の皮内分布を測定することができた。この結果から、皮内表面および毛嚢内へ適用した薬物の皮内動態解析がMSイメージングにより可能となると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り毛嚢経路を塞いだ薬物透過性評価方法を確立し、物理化学的性質の異なる数種の薬物を用いて皮膚透過量に及ぼす経毛嚢ルートの寄与を明らかとすることができた。現在、薬物の毛嚢内動態が評価できるよう、新たな試験方法を開発中である。これらの結果は、研究の目的および研究計画通りであることから、本年度は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
毛嚢への選択的デリバリーが可能となり、薬物の毛嚢内動態が明らかとなれば、全身作用および局所作用を期待する薬物の毛嚢を介した経皮送達が可能になると考えている。薬物の毛嚢移行性を評価方法が確立できたことから、次のステップとして、薬物の毛嚢内動態を評価方法を確立する必要がある。今後の研究の推進方法としては、今年度十分に検討することができなかった、MSイメージングを用いた薬物の皮内および毛嚢内動態解析方法を確立したいと考えている。MSイメージングにより様々な物理化学的性質を有する化学物質の毛嚢内や皮内動態が明らかとなると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ピエゾ素子および光学顕微鏡が付属したマニュピレーターを用いて数ピコリットルから数マイクロリットルの薬液を皮膚の毛嚢部位へ選択的に射出させ、毛嚢に浸透した薬物の毛嚢内動態を明らかとする。また、上記方法とは別に、皮膚に適用した薬物の毛嚢内薬物量を毛髪中の薬物量を測定することで薬物の毛嚢内移行量や毛嚢内動態を評価できると考えている。次年度移行はこれら方法の確立を行うために研究費を使用する予定である。また、MSイメージング法による薬物の毛嚢内および皮内分布の測定を実施する。
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