2012 Fiscal Year Research-status Report
酸化修飾アミロイドタンパクの定量的プロファイルと脳組織での探索
Project/Area Number |
24590061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
井之上 浩一 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30339519)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 液体クロマトグラフィー質量分析 / アミロイドβ / アルツハイマー病 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
申請者は液体クロマトグラフィータンデム質量分析法を用いたアミロイドβペプチド(アミノ酸配列は1-40、1-42、1-43)の高感度かつ精度な測定の確立を目指した。本対象試料はヒト脳組織(病理検体)を用いている。凝集体における抽出溶媒を各種検討した結果、ギ酸50%やグアニジン塩酸塩などが良好であった。さらに、前処理には固相抽出法を利用して、いずれも回収率90%以上を確保した。その後、トリプシン分解による最適なペプチドフラグメントを測定対象として、多重反応モニタリングにより、分析を行うこととした。いずれも良好な分離分析が達成でき、次年度へ続く、酸化修飾体のモニタリングに有用な結果が得られた。 また、本研究では、ヒトサンプルを用いてるため、福祉村病院ブラインバンクとの共同により、倫理審査および静岡県立大学のサンプル取り扱い等による審査を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ヒト試料(病理検体)を用いてるため、初年度は様々な倫理審査等、提供して頂く患者への配慮などに重点を置いていた。さらに、基礎的な質量分析条件などの設定が完了し、ほぼ順調に進行していると思われる。次年度は、酸化ストレス条件など詳細な検討へ移っていくものととする。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に構築した液体クロマトグラフィー質量分析の基礎的な条件を利用して、アルツハイマー病を中心とした実際のヒト脳組織からの酸化ストレスマーカーの探索を実施する。いずれにおいても、ブレインバンクからの検体を利用して、実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度、基礎的な検討を行い得られた前処理の各種消耗品(固相抽出、溶媒、トリプシン分解)などの利用、分離分析(カラム、移動相、配管)、質量分析(キャピラリーなど)を検討する予定である。さらに、今年は、アルツハイマー国際学会、認知症学会、日本薬学会への参加を予定している。
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Research Products
(3 results)