2013 Fiscal Year Research-status Report
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の多剤耐性化に関与する因子の同定
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24590093
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松尾 美記 順天堂大学, 医学部, 助教 (70320322)
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Keywords | VISA / hVISA / 耐性変異 / cmk / ゲノム解析 |
Research Abstract |
バンコマイシン耐性に寄与する遺伝的因子の網羅的同定を目的として、VISAの前駆体であるhVISAからバンコマイシン耐性変異株を分離し、その全ゲノムシークエンスを行った。その結果、46株全ての株が異なる変異をもつことがわかった。さらに見出された変異遺伝子の解析を行い、これまでにバンコマイシン耐性との関連が報告されている制御因子やRNAポリメラーセの変異の他に、これまでには報告のない、タイコ酸合成経路やピリミジン代謝経路など種々の代謝経路の変異を見出した。その中で最も変異株が多く分離されたcmk遺伝子変異株についてはさらに解析を進め、Cmk活性低下がバンコマイシン耐性を引き起こすこと明らかにした。本研究結果はhVISAが様々な遺伝的経路でVISAを生じることを示す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バンコマイシン耐性に関与する遺伝子の網羅的解析は研究計画通りに遂行できている。結果は予想以上に多くの新規遺伝子変異が同定できており、進行状況は順調である。各遺伝子変異の耐性機構についても順調に解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時当初、二つの研究計画;①臨床分離株Mu50の細胞壁肥厚化・構造変化に関与する因子の同定、②in vitroで分離したVISA株を用いたバンコマイシン耐性に関与する遺伝子の網羅的解析を同時に進めて行く予定であったが、これまでの研究成果により、②について予想外に多くの新規遺伝子変異が同定できたので、これらの新規耐性機構の解明を主に進めて行く予定である。本年度は特にタイコ酸合成経路の遺伝子変異とrpoC遺伝子変異についての耐性機構の解明を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
出席した国内外の学会開催地が勤務地近辺であったため、予定していたほど費用がかからなかったため。 新規耐性機構解明に向けて、耐性変異遺伝子の機能解析を、分子生物学的、生化学的手法により行う。そのための、オリゴヌクレオチド作製、試薬類等の購入に使用する。
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[Journal Article] Genomic Basis for Methicillin Resistance in Staphylococcus aureus2013
Author(s)
Hiramatsu K, Ito T, Tsubakishita S, Sasaki T, Takeuchi F, Morimoto Y, Katayama Y, Matsuo M, Kuwahara-Arai K, Hishinuma T, Baba T.
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Journal Title
Infect Chemother.
Volume: 45(2)
Pages: 117-136
DOI
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