2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ワクチンの開発を目指した抗体産生制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
24590098
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
原田 陽介 東京理科大学, 生命医科学研究所, 助教 (20328579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 允人 東京理科大学, 生命医科学研究所, 教授 (40277281)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | T細胞 / B細胞 / 抗体 / 免疫記憶 / Notch |
Outline of Annual Research Achievements |
濾胞性ヘルパーT(TFH)細胞はB細胞濾胞に局在するヘルパーT細胞サブセットであり、B細胞の増殖,免疫グロブリンのクラススイッチ,親和性成熟、抗体産生細胞やメモリーB細胞の分化を制御する。一部のTFH細胞は、抗原が排除された後メモリーT細胞として維持され、2次免疫応答の際には効率的に抗体産生を誘導することが知られている。これらTFHメモリー細胞の制御機構を明らかにすることはワクチンデザインを考える上でも非常に重要であると考えられるが、そのメカニズムについては不明な点が多く残されている。今回我々はNotchシグナルがメモリーT細胞のCCR7とCXCR5の発現制御とT-B境界領域への移行に重要な働きをしていることを明らかにした。 CXCR5の発現上昇とCCR7の発現低下を伴ってB細胞濾胞および胚中心(GC)へと移行したTFH細胞を未免疫マウスに移入すると、これらのTFH細胞はT細胞領域とB細胞領域の境界付近に移行し、長期維持されていた。このときCCR7の発現はナイーブT細胞と同等のレベルに回復し、CXCR5の発現は低下するもののナイーブT細胞より高いレベルで維持されていた。Notchシグナルの非存在下で分化したTFH細胞はWTと同様にGCへと移行したが、メモリー細胞として維持されなかった。またNotchシグナル欠損TFH細胞は退縮期におけるCCR7とCXCR5の発現が障害されており、T-B境界領域への移行も阻害されていた。またNotchシグナルは転写因子Blimp-1の発現を抑制することでCCR7の発現を制御していた。これらの結果はNotchシグナルがTFH細胞のメモリーニッチへの局在を制御することで、メモリー細胞の形成に働いていることを示している。
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Research Products
(2 results)