2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤処理によるカルレティキュリンの細胞表面への移行とその生理的意義
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24590099
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
東 祐太郎 東邦大学, 薬学部, 准教授 (80231918)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カルレティキュリン / アポトーシス / 小胞体ストレス / 抗がん剤 / 貪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまでに抗がん剤mitoxantrone(MIT)処理したヒト大腸がん細胞株HT29細胞における細胞表面calreticulin (CRT)が二相性の増加を示すこと、またそのメカニズムが小胞体ストレスとcaspase8の活性化を介したものであることを明らかにした。さらに昨年度、遺伝子導入により蛍光タンパク質mAG1で標識したCRTを細胞内に持つHLF-ER-mAG1-CRT-KDEL 細胞を作製し、MITまたは小胞体ストレス誘発剤thapsigargin(Tpg)と反応後のCRT の局在変化を観察したところ、経時的なCRT の凝集と細胞膜への局在化を確認した。そこで本年度は、細胞表面に移行したCRTの存在様式を明らかにするため、抗がん剤処理したHLF-ER-mAG1-CRT-KDEL 細胞におけるTSP-1、αvβ3インテグリンを染色し、CRTとの結合や共局在について共焦点レーザー顕微鏡により解析した。その結果、局在化したCRTと各因子の結合は示されたものの得られた結果は不鮮明であり、その詳細については検討を行っている。一方細胞膜タンパクに存在するCRTについて検討するため、抗がん剤で処理したHT29細胞から細胞膜タンパクを抽出し、含まれるCRTについて解析した。その結果フローサイトメトリーで得られた結果と同様に細胞表面CRTが二相性の増加を示すことをタンパクレベルで確認することができた。現在得られたCRTにおけるインテグリンやCD47との結合や共局在について解析を行っている。また抗がん剤処理により細胞表面に移行したCRTとTSP1との結合についてヒトリコンビナントTSP1を用いて確認した。現在TSP1との結合による貪食のオプソニン効果について貪食反応に対する影響から検討を行っている。
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Research Products
(1 results)