2014 Fiscal Year Annual Research Report
Mnkプロテインキナーゼによる翻訳調節を介した細胞増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
24590105
|
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
福永 理己郎 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (40189965)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 翻訳制御 / プロテインキナーゼ / MAPキナーゼ / シグナル伝達 / リン酸化 / 翻訳開始 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞の増殖におけるMnk1の役割を解析するために,ヒトMnk1に対する2種類のmiR30-mimetic shRNA (Mnk1-5およびMnk1-7)を設計した。Mnk1-5あるいはMnk1-7の単独でも内在生Mnk1の発現抑制が認められたが,両者のCo-transfectionがより効果的であることが分かった。Mnk1の発現抑制によって細胞内eIF4EのSer209リン酸化レベルが低下することが明らかになった。 他方,髄芽腫におけるmTOR経路とMnk経路のクロストークについて解析し,Daoy髄芽腫細胞をラパマイシンで処理するとeIF4EのSer209リン酸化が亢進すること,このmTOR阻害によるフィードバックリン酸化はMnk1ではなくMnk2によって媒介されることを見いだした。また,Daoy細胞のMnks阻害剤処理やMnk2のノックダウンによって細胞のmTOR阻害剤感受性が高まり,足場非依存性増殖能の低下が認められた。以上により,髄芽腫Daoy細胞ではmTOR阻害によるフィードバック制御を受けてMAPキナーゼ非依存的にMnk2を活性化する経路が存在することが明らかとなり,mTOR阻害剤とMnk阻害剤の併用による髄芽腫治療の可能性が示唆された。Mnk2がMnk1とは異なる機構で活性化されることから,これらの活性化機構と生理的機能の相違を明らかにする目的で, Mnk1とMnk2のキメラ分子を作成した。 一方,MAPキナーゼの標的タンパク質の探索により,新たにプロテインホスファターゼPTP9Q22を同定した。PTP9Q22はN末端側にチロシンホスファターゼドメインを有し,C末端側ドメインがMAPキナーゼの活性化に伴ってリン酸化されることが示唆された。
|
-
-
[Journal Article] Interplay between chromatin-modifying enzymes controls colon cancer progression through Wnt signaling2014
Author(s)
Chevillard-Briet M, Quaranta M, Grezy A, Mattera L, Courilleau C, Philippe M, Mercier P, Corpet D, Lough J, Ueda T, Fukunaga R, Trouche D, Escaffit F
-
Journal Title
Hum. Mol. Genet.
Volume: 23
Pages: 2120-2131
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-