2014 Fiscal Year Research-status Report
低分子量生体内機能分子による脳神経保護作用メカニズムの解明
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24590111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久米 利明 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (10303843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 神経保護 / 薬理学 / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)セロフェンド酸のin vivoでの作用検討 セロフェンド酸の中枢神経系以外での作用を検討する目的で、ラット左冠動脈一過性閉塞モデルを用いた検討を行った。セロフェンド酸を虚血前と再灌流前の2回静脈内投与したところ、心臓における梗塞巣体積を著明に減少した。そこで、セロフェンド酸の心筋保護作用を検討する目的で、ミトコンドリアのATP感受性Kチャネルの阻害作用を有する5-HDの作用を検討したところ、セロフェンド酸による心筋保護作用は完全に消失した。以上の結果からセロフェンド酸はin vivoにおいて虚血性心筋障害に対して保護作用を発現し、保護メカニズムとしてmitoKATPチャネルの関与が重要であることが示唆された。 2)Aβ神経毒性に対する保護物質の探索 昨年度の検討でAβ42の毒性コンホマーは酸化ストレスを誘導すること、またAβの凝集が神経毒性発現に重要な役割を有することを明らかにした。本年度は、Aβ神経毒性に対して細胞保護作用を発現する物質の探索を行った。これまでに酸化ストレスに対して細胞保護作用を有する物質として青じそ由来のDDCを報告しているのでDDCのAβ毒性に対する作用を検討した。その結果、DDCはAβの凝集を抑制することでAβの神経毒性を抑制することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度に計画していたセロフェンド酸結合タンパク質の探索研究を行い、その結果を基に学会・論文での発表を行う予定であったが、結果として複数のタンパク質が候補となり、その中での絞り込みが行えていないため、計画を変更してセロフェンド酸に他の官能基を導入することで結合タンパク質の絞り込みを行うこととしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、セロフェンド酸結合タンパク質の探索研究について効率よく研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
セロフェンド酸の結合タンパク質の同定の研究が予定よりも遅れているため、それに用いた動物実験が予定通り行えていないため、未 使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の未使用額に関しては次年度において動物購入および消耗品に使用し、研究の遅れを取り戻す予定である。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Integrin-associated protein promotes neuronal differentiation of neural stem/progenitor cells.2015
Author(s)
Fujimura, K., Niidome, T., Shinozuka, Y., Izumi, Y., Kihara, T., Sugimoto, H., Akaike, A., and Kume, T.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 10
Pages: e0116741
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Potential protective effect of highly bioavailable curcumin on an oxidative stress model induced by microinjection of sodium nitroprusside in mice brain.2014
Author(s)
Nazari, QA., Takada-Takatori, Y., Hashimoto, T., Imaizumi, A., Izumi, Y., Akaike, A., Kume, T.
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Journal Title
Food Funct.
Volume: 5
Pages: 984-989
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Serofendic Acid Protects Against Myocardial Ischemia-Reperfusion Injury in Rats.2014
Author(s)
Ioroi, T., Akao, M., Iguchi, M., Kato, M., Kimura, T., Izumi, Y., Akaike, A., and Kume, T.
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Journal Title
J Pharmacol Sci.
Volume: 126
Pages: 274-280
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Hypoxia-induced brain ischemia-reperfusion model in zebrafish larvae.2014
Author(s)
Sawahata, M., Takemasa, S., Kawamoto, T., Izumi, Y., Akaike, A. and Kume, T.
Organizer
the 20th Japanese Medaka and Zebrafish Meeting, Tokyo, Japan.
Place of Presentation
慶応義塾大学薬学部(東京都)
Year and Date
2014-09-20 – 2014-09-21
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[Presentation] V-1遺伝子によるアクチン重合依存的な黒質線条体ドパミン生合成酵素群の統合的新規発現制御機構2014
Author(s)
川畑伊知郎, 延新来, 大宅史織, 森田淳一, 加藤茂樹, 富岡佳久, 田渕明子, 福地守, 津田正明, 一瀬-鷲見千穂, 近藤一直, 泉安彦, 久米利明, 赤池昭紀, 大橋一正, 水野健作, 一瀬宏, 小林和人, 山国 徹
Organizer
第37回日本神経科学大会 Neuroscience2014
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県)
Year and Date
2014-09-11 – 2014-09-13
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