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2013 Fiscal Year Research-status Report

大脳皮質形成における多様なGタンパク質シグナル制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 24590113
Research InstitutionNara Institute of Science and Technology

Principal Investigator

水野 憲一  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (90212232)

Keywordsシグナル伝達 / 神経科学 / 脳・神経 / 薬学
Research Abstract

(1) Ric-8の機能解析
昨年度は培養神経前駆細胞においてRic-8Bの発現抑制が自己複製能および細胞遊走を阻害することを報告した。今年度は心筋細胞を用いてRic-8Bの機能を調べた。われわれは、心肥大病態モデルマウスの心臓においてユビキチン化が亢進していることに着目し、培養心筋細胞を用いて、GqシグナルがGαsタンパク質のユビキチン化を促進し、Gαs発現量の減少およびβアドレナリン作動性受容体刺激によるcAMPレスポンスを減弱させることを見いだした。さらにRic-8Bは、Gqシグナルのこれらの効果を抑制することがわかった。このことから、Ric-8BはGαsの量的変化によりシグナル伝達を制御していることが示唆された。この結果は論文および学会発表により報告した。脳におけるRic-8の機能については、Ric-8A及びRic-8Bをノックダウンした脳組織切片における細胞の動きを継時的に観察し、さらにRic-8をノックダウンした培養神経前駆細胞の遊走に対して誘因物質や忌避物質の効果を検討中である。
(2) オーファンGPCRに対する機能抗体の作製
ヒトGPR49の細胞外ドメイン(GPR49ECD)のリコンビナントタンパク質を大腸菌発現系を用いて精製した。その結果、2 Lの大腸菌培養から約100 μgのリコンビナントタンパク質を得ることができた。マウスに免疫を行い、ハイブリドーマを作製し、144のクローンを得ることができた。さらにELISAにより16の陽性クローンを得た。またGPR49は筋芽細胞C2C12において高発現していることを見いだし、筋分化に伴うGPR49の機能を解析した。この結果は学会発表により報告した。さらに急性骨髄性白血病細胞AML1におけるGPR56の機能解析を行うにあたり、研究課題において作製したGPR56に対する抗体を用い、論文として発表している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

神経前駆細胞における新規Gタンパク質調節因子Ric8の機能に関しては、昨年度の結果をさらに発展させ、Ric8をノックダウンさせることにより、各種誘因物質および忌避物質による細胞遊走に対して効果を見いだすことができた。この結果は、Ric-8をノックダウンさせるためのアデノウィルスを用いた脳切片培養系での細胞遊走促進効果を裏付ける結果となった。しかし、今後さらなる再現性、また細胞の動きなどを詳細に検討する必要がある。
抗体作製に関しては、ヒトGPR56に続き、GPR49においてもリコンビナントタンパク質の調製に成功した。さらにlatrophilinに対する細胞外ドメインのリコンビナントタンパク質も、細胞外ドメインの一部分に限定して調製できるようになった。現在、latrophilinに対する抗体作製に関しても進行中である。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策
得られた抗体に対して、さらに機能抗体としての作用の有無、結合部位の同定を行う。またGPR49やlatrophilinを発現している細胞を得られた抗体を用いて同定し、その細胞におけるGPCRの機能や、そのシグナル伝達系について解析を行う。
次年度の研究費の使用計画
次年度より、青森大学に異動するため、本研究を継続するための研究室セットアップに昨年度の次年度使用分を費やす予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度より奈良先端科学技術大学院大学より青森大学に異動になるため、研究室のスタートアップのための費用が必要と判断したため
本研究課題遂行のため、クリーンベンチが必要である。備品としてクリーンベンチを購入する予定である。さらに次年度分の消耗品で足らない部分を次年度分で補う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Increased ubiquitination and the crosstalk of G protein signaling in cardiac myocytes: involvement of Ric-8B in Gs suppression by Gq signal2013

    • Author(s)
      Jenie R.I., Nishimura M., Fujino M., Nakaya M., Mizuno N., Tago K., Kurose H., and Itoh H..
    • Journal Title

      Genes Cells

      Volume: 18 Pages: 1095-1106

    • DOI

      10.1111/gtc.12099

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Maintenance of the hematopoietic stem cell pool in bone marrow niches by EVI1-regulated GPR562013

    • Author(s)
      Saito Y., Kaneda K., Suekane A., Ichihara E., Nakahata S., Yamakawa N., Nagai K., Mizuno N., Kogawa K., Miura I., Itoh H., and Morishita K..
    • Journal Title

      Leukemia

      Volume: 27 Pages: 1637-1649

    • DOI

      10.1038/leu.2013.75

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 神経細胞の分化に伴うGPR56の発現パターンの変化2013

    • Author(s)
      野島 悠佑, 水野 憲一, 伊東 広
    • Organizer
      第36回日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      20131203-20131205
  • [Presentation] LGR5の発現とシグナル伝達の解析2013

    • Author(s)
      根岩 直希, 水野 憲一, 小林 哲夫, 伊藤 友里, 伊東 広
    • Organizer
      第36回日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      20131203-20131205
  • [Presentation] 心筋細胞でのGqシグナルによるGs抑制機構に対するRic-8Bの関与2013

    • Author(s)
      水野 憲一, Riris Istighfari Jenie, 仲矢 道雄,  多胡 憲治, 黒瀬 等, 伊東 広
    • Organizer
      第86回日本生化学会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      20130911-20130914

URL: 

Published: 2015-05-28  

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