2013 Fiscal Year Research-status Report
新規網膜症予防・治療戦略創出のための標的分子特定を指向した網膜循環調節機構の解明
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24590122
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石井 邦雄 北里大学, 薬学部, 教授 (90137993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 努 北里大学, 薬学部, 准教授 (10296519)
森 麻美 北里大学, 薬学部, 助教 (80453504)
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Keywords | 薬理学 / 微小循環 / 血管生物学 / 網膜循環 / β アドレナリン受容体 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本年度は健常ラットを用いた正常時網膜循環調節機構に関して,in vivo 網膜血管機能実験を行った. (1) β2 及び β3 受容体刺激による網膜血管拡張機序の解明: β2 及び β3 受容体刺激網膜血管の拡張反応に,adenylyl cyclase-cAMP 経路非依存的な機序が関与するかを明らかにするため,高コンダクタンス Ca2+ 活性化 K+ (BKCa) チャネル阻害薬 [iberiotoxin (IbTX)] を用いて検討した.IbTX 硝子体内投与は,β2受容体刺激薬 [salbutamol] による網膜血管拡張反応を有意に減弱させたが,β3 受容体刺激薬 [CL316243] による反応に影響を及ぼさなかった.従って β2 受容体刺激による網膜血管拡張反応に BKCa チャネルの関与が示唆された. (2) NO による網膜血管拡張機序の解明:ラット網膜血管において,NO はアラキドン酸カスケード-PGI2 産生増大による拡張反応を引き起こす.しかし,NO による網膜血管拡張機序は,cyclooxygenase 阻害薬 [indomethacin] の硝子体内投与によって完全に消失しない.そこで,電位依存性 K+ (Kv) チャネルの関与を明らかにするため,Kv チャネル阻害薬である [4-aminopyridine (4-AP)] を用いて検討した.NO による網膜血管拡張反応は,4-AP 硝子体内投与により有意に減弱した.この反応は 4-AP 及び indomethacin の同時投与により,各単独よりもさらに抑制された.一方, ATP 感受性 K+ チャネル刺激薬 [pinacidil] 誘発網膜血管拡張反応は 4-AP よる影響を受けなかった.従って,NO のよる網膜血管拡張機序に,Kv チャネルの関与が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成25年度の研究実施計画に従い,予定通りに検討し,一定の成果が得られている.今後は網膜循環調節機序の詳細検討をさらに進めるとともに,糖尿病モデル動物を用いた検討を重点的に進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,正常時網膜循環調節機構の解明を行うと共に,糖尿病及び緑内障病態時の網膜循環障害機序を解明するため,in vivo 及び in vitro 実験を行う. (1) 網膜循環調節機構に関与する EDHF の同定:in vivo による検討を引き続き行う. (2) Beta2-AR を介した網膜血管拡張機序の解明:in vivo による検討を引き続き行う. (3) 糖尿病モデルラットにおける網膜循環障害機序の解明:本検討によって明らかとなった EDHF を糖尿病モデルラットに投与し,網膜血管拡張反応が障害されるか否かを検討する.また,得られた結果を分子レベルで裏付けるための in vitro 実験も適宜行う. (4) 糖尿病及び緑内障モデルラットにおける網膜循環障害の予防・治療実験: EDHF の候補因子の発現が糖尿病及び緑内障モデルで減少している場合は,候補因子の分解抑制酵素や増強薬などを病態発症以前から投与し,病態発症 2 週間後に ACh による網膜血管拡張反応の減弱が改善されるか否かについて,in vivo 実験システムを用いて検討する.また,糖尿病モデルにおいては,β2-AR 作用機序の障害を保護するような薬物投与による効果についても検討する.さらに,網膜神経を形態学的に評価し,糖尿病や緑内障モデルラットで観察される網膜神経傷害に対する候補薬物の影響についても検討する.また,病態発症後の候補薬物投与による治療効果についても同様に検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に従って実験を行っていたが,実験に必要な試薬を購入するには残高が不十分な金額であったため. 計画通り in vivo 及び in vitro 実験を実施し,全ての予算を使用する予定である.
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Research Products
(5 results)