2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24590125
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
月本 光俊 東京理科大学, 薬学部, 講師 (70434040)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炎症 / プリン受容体 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
セプシス(敗血症)とは高サイトカイン血症状態の全身性炎症反応症候群に感染症が重なった病態であり、多臓器不全や敗血症ショックにより高い死亡率を示し、開発国において死因の上位にランクされている。しかしながら、そのメカニズムは極めて複雑なことから未だに有効な治療法が確立されていない。その治療法を開発するため、1年目は、セプシスの治療標的としてP2受容体の可能性を検討し、新たにP2Y11受容体阻害薬が急性炎症反応を抑制出来ることを明らかにした。また、2年目では、慢性敗血症モデルである盲腸結紮穿孔モデルを用いて、セプシス病態におけるP2X7受容体の重要性を明らかにした。 本年度、P2X7受容体阻害薬によるセプシス病態抑制効果について検討を行った結果、P2X7受容体阻害薬投与により生存率低下抑制、肝炎病態・腎炎病態の軽減が認められ、血中サイトカイン濃度増加も抑制された。このうち、全身性炎症反応による肝炎病態におけるP2X7受容体の役割について詳細に検討するため、肝マクロファージ(Kupffer細胞)におけるP2X7受容体機能を解析した。その結果、P2X7受容体活性化は、IL-1βやPGE2産生などを誘導していることが明らかとなり、炎症反応惹起に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また、自己免疫性肝炎病態モデルに対するP2X7受容体阻害薬の効果を検討したところ、3種のP2X7受容体阻害薬によって肝炎発症が抑制出来ることを明らかにした。これらの結果、P2X7受容体は、全身性炎症反応によるセプシス病態や肝炎病態において重要な役割を担っており、P2X7受容体阻害薬は全身性炎症病態抑制に有効である可能性が示唆された。 以上、3年間の研究成果から、セプシスなどの全身性炎症反応症候群の新たな治療標的として、P2X7受容体やP2Y11受容体を示すことに成功した。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Extracellular ATP induces P2X7 receptor activation in mouse Kupffer cells, leading to release of IL-1β, HMGB1, and PGE2, decreased MHC class I expression and necrotic cell death.2015
Author(s)
Toki Y, Takenouchi T, Harada H, Tanuma S, Kitani H, Kojima S, Tsukimoto M.
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 458(4)
Pages: 771-776
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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