2012 Fiscal Year Research-status Report
虚血性網膜症の治療標的分子としてのアペリンに関する研究―遺伝子改変動物を用いて―
| Project/Area Number |
24590131
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Setsunan University |
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Principal Investigator |
前田 定秋 摂南大学, 薬学部, 教授 (00135732)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山室 晶子 摂南大学, 薬学部, 助手 (20340862)
吉岡 靖啓 摂南大学, 薬学部, 講師 (40330360)
石丸 侑希 摂南大学, 薬学部, 助教 (80611607)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 虚血性網膜症 / apelin |
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| Research Abstract |
増殖性糖尿病網膜症などの虚血性網膜症では、血管内皮細胞の過増殖により血管壁細胞が欠落した脆弱な新生血管が生じ、それらが破綻することで失明に至る。現在、本疾患に対する治療は、血管内皮増殖因子（VEGF）の発現を抑制することによる血管新生阻害療法が行われているが、本治療法では、一時的な血管新生の阻害効果が得られるものの、根本的に虚血が解消されない為に一定期間後に血管新生が再燃する。したがって、血管新生を阻害するのではなく、脆弱な新生血管に血管壁細胞を動員すること、すなわち血管成熟化を誘導することによって虚血を解消する治療法の開発が本疾患の治療に有用であると考えられる。これまでに我々は、虚血性網膜症モデル（OIR）マウスの網膜において、過剰に発現上昇したapelinが血管内皮細胞の過増殖を引き起こすことによって異常な血管の形成を促進させることを見出してきた。そこで今回、OIRモデルマウスの網膜のapelin発現を抑制することで血管成熟化を誘導できるか否かについて検討を行った。Apelin発現の抑制にはapelin siRNAを用いた。Apelin siRNAを投与したOIRモデルマウスの網膜では、対照群のcontrol siRNAを投与した網膜と比較して、新生血管の血管内皮細胞に対する血管壁細胞による被覆度の増加および、血管壁細胞マーカーであるPDGFRbの発現上昇がみられた。さらに、apelin siRNAを投与した網膜では、血管成熟因子の一つであるMCP-1が発現上昇することを見出した。これらの結果より、虚血性網膜症において、apelin発現を抑制することで血管成熟化を誘導できる可能性が示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、虚血性網膜症において失明の原因となる脆弱な新生血管を強固にし、機能的な血管に導くこと、すなわち血管成熟化を誘導することである。本病態モデルマウスの網膜において、異常な血管の形成を促進する因子であるapelinを抑制すると血管成熟化を誘導できるという仮説のもと、虚血性網膜症モデルマウスの眼内にapelin siRNAを投与した結果、新生血管の内皮細胞への壁細胞の動員の増加を確認できた。また、apelin発現抑制による血管成熟化の誘導機構を解明する一端として、apelin発現を抑制した網膜における血管成熟化因子の発現解析を行った結果、その因子の内の一つであるMCP-1の発現が対照群と比較して有意に上昇していることを見出した。以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、虚血性網膜症モデルマウスの網膜のapelin発現を抑制することで、血管成熟化因子の一つであるMCP-1の発現が上昇することを見出した。来年度からは本機構を明らかにする目的で、培養血管内皮細胞および培養血管壁細胞を用いたin vitro実験系を中心に解析を行う。具体的には、apelin発現抑制による培養血管内皮細胞のMCP-1の発現変化の解析、MCP-1の転写因子の活性や転写因子の活性を制御する因子の解析、および培養血管壁細胞を用いた遊走能の解析を行う。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)
