2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属酵素RNAポリメラーゼを標的とする抗インフルエンザ薬のSBDD
Project/Area Number |
24590141
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
石川 吉伸 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (00305004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 英志 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (70433208)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフルエンザ / RNAポリメラーゼ / キレート / ジケト酸 / ビキノリン / 阻害剤 / 金属酵素 / SBDD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インフルエンザウィルス由来の金属酵素RNAポリメラーゼ内のエンドヌクレアーゼ(PAN)を標的として、その活性部位の金属イオンにキレートし阻害するジケト酸誘導体の構造基盤医薬品創製である。平成26年度では、24,25年度に合成したビフェニルジケト酸誘導体-PAN複合体の単結晶化と、PANを阻害する分子の新規分子設計と合成、PAN阻害能の評価を行った。 24,25年度に合成したビフェニルジケト酸誘導体と、24年度に大量発現系を確立し精製したPANとの共結晶の単結晶化をMnイオン存在下で試みたところ、単結晶が得られ、PANと阻害剤ジケト酸誘導体の複合体と思われる結晶を得ることに成功した。得られた結晶はX線回折により分解能 8.0 Åの回折像を得ることができた。しかし、分解能が低く構造解析までには至らなかった。 また、新たにPANを阻害する新規分子設計と合成を行った。PANとHIVインテグラーゼの構造の関連性からHIVインテグラーゼ阻害剤である4-キノロン誘導体に着目し、その誘導体の合成を試みたところ、その中間合成物として新規化合物であるビキノリン誘導体が得られたことをX線結晶構造解析から明らかにした。2分子の4-キノロン誘導体を第二級アミンとケトン基の間で縮合させることで合成されるビキノリンは興味深い化学構造をしており、見出された反応機構は医薬品に限らず、他の分野への応用の可能性を秘めていると考えられた。 中間合成物を加水分解することによりビキノリンカルビン酸誘導体を得た。これは当初分子設計の段階でポイントとしていた骨格や置換基の特徴を全て有していたので、様々な置換基を持つ誘導体の合成を試みたところ、最終的に6つのビキノリンカルビン酸誘導体が得られた。これらのうち2つにおいてPANの阻害能が確認されたが、それらの阻害能はジケト酸誘導体よりも劣るものであった。
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Research Products
(32 results)