2013 Fiscal Year Research-status Report
オキセタノイドグリカールを利用する分岐糖型オキセタノシンの合成とその生物活性
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24590144
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
原口 一広 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (10218638)
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Keywords | オキセタン / グリカール / オキセタノシン / グリコシル化 / 抗ウイルス活性 |
Research Abstract |
アクリル酸メチルとベンジルオキシアセトアルデヒドをキヌクリジンの存在下、反応させることによりBaylis-Hillmann付加体を合成した。得られたα-ヒドロキシメチルアクリル酸メチルの第二級水酸基をTBS化することにより対応するシリルエーテルを得た。引き続き、シリルエーテルをN-メチルモルホリンN-オキシドの存在下、四酸化オスミウムによるジヒドロキシル化によりジオールとした後、脱シリル化を行い、トリオールへ変換した。トリオールは一級および二級水酸基のアセチル化に付し、得られたヒドロキシジアセテートは第三級水酸基のフェノキシチオカルボニル化と引き続くスズラジカルによるラジカル還元によりジアセテートを合成した。ジアセテートはメタノール性塩酸によりジオールへ変換した後、一級水酸基のTBS化とメチルエステルの水酸化リチウムによる加水分解によりβ-ヒドロキシカルボン酸へ変換した。得られたヒドロキシカルボン酸はTHF中、-40℃でトリフェニルホスフィンの存在下、ジイソプロピルアゾジカルボン酸と反応させるたところ、光延型の脱水反応が進行しβ-ラクトンへ変換することができた。得られたβ-ラクトンは脱シリル化に付した後、一級水酸基のPDC酸化によるカルボン酸への変換と炭酸水素ナトリウムの存在下、ヨウ化メチルとの反応によりメチルエステルとした。得られたβ-ラクトンカルボキシメチルエステルは、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジンの存在下、クロロトリエチルシランと反応させることにより、1位にシリルオキシ基を有するオキセタノイドグリカールを合成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オキセタノイドグリカールの合成ルートの最適化が予定通りに進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に合成した2-シリルオキシオキセタノイドグリカールをN-ヨードコハク酸イミド(NIS)の存在下、シリル化したN6-ベンゾイルアデニンと反応さ、2'-シリルオキシ-3'-ヨード-3'-メトキシカルボニルオキセタノシルアデニンヌクレオシドを立体選択的に合成する。引き続き、得られたグリコシドの3'位のヨウ素置換基のラジカル還元とメチルエステルのヒドリド還元により、2’-O-シリルオキシオキセタノシンA誘導体を合成する。得られたオキセタノシン誘導体に対して有機アルミニウム試剤を反応させれば、2’位に炭素置換基が分岐した新規誘導体が得られ、脱保護により最終標的化合物へ変換する。本研究により合成した新規2’-分岐型オキセタノシン誘導体は、その抗ウイルス活性および抗腫瘍活性について系統的に調べる。
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