2013 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージによるシリカ粒子貪食および炎症誘導機構の解析
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24590158
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 勝文 東北大学, 国際高等研究教育機構, 准教授 (20453582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
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Keywords | シリカ粒子 / マクロファージ / 炎症 / 肺炎 |
Research Abstract |
結晶シリカ粒子の長期吸引は慢性炎症を引き起こし、塵肺や肺癌といった重篤な病気を発症させる危険性があることが知られているものの、非晶質シリカ粒子は安全だと考えられてきた。しかしながら最近の動物実験から非晶質シリカ粒子も炎症を引き起こすことが分かりつつある。そこで本研究では、粒子径の違いによる非晶質シリカ粒子の炎症作用をマウスモデルを用いてin vitroおよびin vivo実験により評価した。in vitro実験については、マウス骨髄由来マクロファージの貪食、caspase-1活性化、細胞死、およびIL-1beta分泌について検討した。またシリカ粒子のサイズについては、30 nm、100 nm、300 nm、1 um、3 um、10 umについて検討した。その結果、いずれのサイズのシリカ粒子もマクロファージにより効率良く貪食されたが、粒子径30 nm~1000 nmのシリカ粒子はそれ以上のサイズのシリカ粒子よりもIL-1beta分泌作用が強く、それはcaspase-1活性化能および細胞死誘導能の高いことに起因することが判明した。in vivo実験については、マウス気管内投与後の肺炎をマイクロCTにより評価し、さらに肺胞洗浄液中のサイトカイン量および浸潤細胞集団についてそれぞれELISAおよびフローサイトメトリーにより評価した。その結果、30 nmシリカ投与マウス群においては3 umシリカ投与マウスによりも極めて激しい肺炎が起きることが判明した。以上の結果から、粒子径1 um以下のシリカ粒子はそれ以上のサイズのシリカ粒子に比べて起炎性が高いことが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリカ粒子のサイズの違いが炎症作用に与える影響を詳細に解析し、その成果を論文発表したことから、おおむね順調に進展していると評価できる。ただしその分子メカニズムの解明については、さらに解析を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
なぜ粒子径の違いが炎症作用に大きく影響を及ぼすのか、という点については未だに不明である。さらにマクロファージが細胞表面上でどのようにシリカ粒子を識別しているのか、という点についても不明であり、今後、それらの分子メカニズムの解明に取りかかる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
所属の異動があり、当初計画していた一部の実験を次年度に延期することによって生じた。 次年度以降に実施する実験に必要な経費として平成26年度請求額とあわせて使用する予定である。
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[Journal Article] NKG2D+ IFN-γ+ CD8+ T cells are responsible for palladium allergy2014
Author(s)
Kawano M, Nakayama M, Aoshima Y, Nakamura K, Ono M, Nishiya T, Nakamura S, Takeda Y, Dobashi A, Takahashi A, Endo M, Ito A, Ueda K, Sato N, Higuchi S, Kondo T, Hashimoto S, Watanabe M, Watanabe M, Takahashi T, Sasaki K, Nakamura M, Sasazuki T, narushima T, Suzuki R. Ogasawara K
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e86810
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Interruption of dendritic cell-mediated TIM-4 signaling induces regulatory T cells and promotes skin allograft survival2013
Author(s)
Yeung M, McGrath M, Nakayama M, Shimizu T, Boenisch O, Magee CN, Abdoli R, Akiba H, Ueno T, Turka L, and Najafian N
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Journal Title
J Immunol
Volume: 191
Pages: 4447-4455
DOI
Peer Reviewed
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