2014 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージによるシリカ粒子貪食および炎症誘導機構の解析
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24590158
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 勝文 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (20453582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マクロファージ / シリカ粒子 / 炎症 / 貪食 / 肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリカ結晶粒子は、地殻の60%を占める化合物であり、その長期暴露は塵肺を引き起すことが知られている。その一方でアモルファスシリカ粒子は生体適合性が高く安全と考えているため、多くの食品や医薬品などにも含まれている。しかしながら最近の研究から、アモルファスシリカ粒子であっても粒子径が小さくなると炎症を引き起すことが指摘されるようになった。シリカ粒子が引き起す炎症のメカニズムとして、生体内で主にマクロファージによって貪食された後、その細胞内NLRP3インフラマソーム活性化が関与することが報告されている。しかしながら、マクロファージがその細胞表面でどのようにシリカ粒子を認識して貪食しているのかは未だに不明である。我々は、まず第一にマクロファージによるアモルファスシリカ粒子に対する炎症応答について詳細に解析した。その結果、粒子径30 nm、300 nm、および3000 nmのいずれの粒子系のシリカ粒子であってもマクロファージによって効率良く貪食されるものの、リソソームストレスが粒子径に違いによって大きく異なる事が判明した。つまり30 nmおよび300 nmのシリカ粒子はリソソーム障害レベルが高いが、3000 nmシリカ粒子ではリソソーム障害レベルが低かった。このリソソーム障害レベルは、炎症性サイトカインのIL-1beta産生量と相関し、さらにin vivoマウス気管内投与による肺炎重症度とも相関した。これらの結果は、粒子径30 nmのシリカ粒子はマクロファージに貪食された後、顕著なリソソーム障害を介して炎症を惹起することを示唆する。そこで次に我々は、粒子径30 nmシリカ粒子を認識するマクロファージ細胞表面受容体を探索した。発現クローニング法により、30 nmシリカ粒子を認識するマクロファージ受容体を同定し、現在、その解析を進めている。
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[Journal Article] NKG2D functions as an activating receptor on natural killer cells in the common marmoset (Callithrix jacchus).2014
Author(s)
Watanabe M, Kudo Y, Kawano M, Nakayama M, Nakamura K, Kameda M, Ebara M, Sato T, Nakamura M, Omine K, Kametani Y, Suzuki R, Ogasawara K
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Journal Title
Int. Immunol.
Volume: 11
Pages: 597-606
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] NKG2D⁺ IFN-γ⁺ CD8⁺ T cells are responsible for palladium allergy.2014
Author(s)
Kawano M, Nakayama M, Aoshima Y, Nakamura K, Ono M, Nishiya T, Nakamura S, Takeda Y, Dobashi A, Takahashi A, Endo M, Ito A, Ueda K, Sato N, Higuchi S, Kondo T, Hashimoto S, Watanabe M, Watanabe M, Takahashi T, Sasaki K, Nakamura M, Sasazuki T, Narushima T, Suzuki R, Ogasawara K
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e86810
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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