2013 Fiscal Year Research-status Report
糖化反応物による生活習慣病発症機構解明と高感度診断法構築のための基盤的研究
Project/Area Number |
24590169
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
武知 進士 崇城大学, 薬学部, 教授 (10222100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 卓巳 崇城大学, 薬学部, 准教授 (10301342)
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Keywords | 酸化ストレス |
Research Abstract |
平成25年度の研究実績として、糖化反応物による生活習慣病発症機構解明の基盤となる、糖化反応物曝露により応答する遺伝子の解析を行った。 DHPを曝露したヒト肝がん細胞 HepG2 細胞より抽出したRNAを用いて、マイクロアレイ解析を行い、発現変動を示した遺伝子を検出した。このうち発現変動が著しく顕著であった遺伝子群は、抗酸化ストレス遺伝子GCLC、GCLM、HO-1であることが明らかとなった。これら抗酸化ストレス遺伝子は、DHP誘導体、DHP-1(2,3-Dihydro-5,6-dimethylpyrazine), DHP-2(2,3-Dihydro-2,5,6-trimethylpyrazine), DHP-3(3-Hydro-2,2,5,6-tetramethylpyrazine)のうち、DHP-3が最も強い転写誘導活性を持つことがreal time RT-PCR法により明らかになった。さらにwestern解析の結果、DHP曝露により抗酸化ストレス転写因子Nrf2の細胞内蓄積が抗酸化ストレス遺伝子転写誘導に先んじて起こることが明らかになった。加えて、Nrf2結合配列である酸化ストレス応答配列 (ARE) 依存的にDHP転写誘導が起こることがルシフェラーゼレポーターアッセイにより明らかになった。 これらの結果は、DHPによる酸化ストレスがNrf2-ARE経路を活性化したことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DHP 類の生体への影響についての解明は、DHP 曝露により抗酸化ストレス応答経路であるNrf2-ARE経路が活性化されることが明らかになり、DHPによる細胞障害性の本態が酸化ストレスであることが確かめられたことから、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
DHP 類の生体への影響についての解明に関して、極初期に発現誘導する遺伝子を明らかにするため、特に効果が強かった DHP -3 を、HepG2 細胞に DHP-3 を 1 mM, 1時間曝露したのち、RNA を抽出し、高感度 DNA チップを用いたマイクロアレイを行って発現変動を示した遺伝子の検索を行う。細胞障害作用の回避が細胞内に比較的多量に存在する還元型グルタチオンにより可能であることからDHP 類とグルタチオンの反応性をLC-MSにより解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額19,227円が生じた理由は、主に本年度使用の物品費の納入価格が予定より低かったため生じたものである。 消耗品のための費用として次年度使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Selenium-binding protein 1: its physiological function, dependence on aryl hydrocarbon receptors, and role in wasting syndrome by 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin.2013
Author(s)
Tsujimoto S, Ishida T, Takeda T, Ishii Y, Onomura Y, Tsukimori K, Takechi S, Yamaguchi T, Uchi H, Suzuki SO, Yamamoto M, Himeno M, Furue M, Yamada H.
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Journal Title
Biochim Biophys Acta.
Volume: 1830
Pages: 3616-3624
DOI
Peer Reviewed
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