2013 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病におけるLードパの個別化処方設計への研究
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24590176
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 和夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20127533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福土 将秀 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60437233)
米澤 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90452341)
大村 友博 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00439035)
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Keywords | 薬学 / 薬物動態 / 遺伝子多型 / トランスポータ |
Research Abstract |
パーキンソン病患者の治療において、L-ドパ長期療法による特有の有害反応、特にウエアリング・オフ現象はもっとも改善すべき課題である。本研究ではL-ドパ長期投与に伴う薬物動態の変化と(Pharmacokinetics)、薬物動態に関与する遺伝的要因(Pharmacogenetics)などを明らかにし、個々の患者に最適なL-ドパ療法(併用薬を含む)の設計(患者個別化薬物療法)の開発を目的とする。昨年度はL-ドパの血中濃度とCOMTの遺伝子多型の関与を検討したが、今回はさらにL-ドパの代謝産物3-O-methildopa(3-OMD)についての検討を行った。 パーキンソン病患者10名、レビー小体型認知症患者1名を対象とし、L-ドパ(100 mg)単独またはL-ドパ(100 mg)とCOMT阻害薬であるエンタカポン(100 mg)を同時に服用し、服薬前と服薬後に経時的に静脈血を採取し、L-ドパおよびその代謝物である3-O-methildopa(3-OMD)の血中濃度をHPLC-ECDにより測定した。なお、COMTの遺伝子型は野生型(H/H)6例、ヘテロ変異(H/L)4例、ホモ型(L/L)1例であった。エンタカポンの投与によるL-ドパのAUC0-4hの変化については、H/H群およびH/L群で増加傾向が見られ、L/Lの1例ではほとんど変化が見られなかったが、このときの3-OMDの濃度増加はL-ドパ単独投与時はL/L<H/L<H/Hの順で増加したが、エンタカポン併用時は全ての遺伝子型で濃度増加は抑制されていた。よってエンタカポンがL-ドパおよび3-OMDの血中濃度に及ばす影響は、COMT遺伝子多型により変動を受けることが示唆された。 今後は、その他の遺伝子多型とL-ドパおよび3-OMDとの関連を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね目標を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、その他の遺伝子多型とL-ドパおよび3-OMDとの関連を検討する予定である。また、症例数についても蓄積していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に所属の移動で研究計画が一時中断したため、初年度未使用額が現在も残っているが、研究体制が整ったことにより、現在はより積極的に研究を行っており、予定通り研究費を執行できると考えられる。 次年度の研究費については、L-Dopaおよび代謝産物の血中濃度測定と遺伝子解析、さらには論文投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)