2014 Fiscal Year Annual Research Report
がん個別化治療確立を目指した新規がん特異的トランスポーターの橋渡し研究
Project/Area Number |
24590179
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
降幡 知巳 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80401008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本橋 新一郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60345022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / OATP1B3 / がん個別化治療 / がん特異的遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、cancer-type organic anion transporting polypeptide 1B3 (Ct-OATP1B3) mRNAのヒトがん組織における発現プロファイルおよびその機能を明らかとすることを目的とした。前年度までにヒト肺がん組織(28検体)およびヒト大腸がん組織(39検体)を用いて遺伝子発現解析をおこない、Ct-OATP1B3 mRNAの発現は極めてがん特異的な発現プロファイルを有することを明らかとした。さらに、ヒト大腸がんにおいては早期ステージにおいても高い頻度でCt-OATP1B3 mRNAの発現が認められることを明らかとした。そこで最終年度では、他のがん種についてCt-OATP1B3 mRNA発現解析をおこない、新たに骨がん細胞においてもCt-OATP1B3 mRNAが発現していることを見出した。一方、前年度までにおこなったCt-OATP1B3発現がん細胞または遺伝子導入細胞を用いた解析では、Ct-OATP1B3のタンパク質発現およびトランスポーター機能は認められていない。そこで最終年度では、tet-on誘導発現系を構築し、Ct-OATP1B3発現の細胞増殖能への影響を検討した。しかしながら、通常培養においてはCt-OATP1B3発現細胞と非発現細胞間で明確な細胞増殖能の差異は認められなかった。以上、本研究期間では、Ct-OATP1B3 mRNAは様々ながん種において極めて高いがん特異的な発現プロファイルを有していることを明らかとした。したがって、Ct-OATP1B3 mRNAはがん診断における新たなバイオマーカーとなる可能性があると考えられる。一方で、Ct-OATP1B3のがんにおける役割は未だ不明である。今後、がん浸潤や抗がん剤耐性評価など他の手法を用いて、Ct-OATP1B3の機能解明を進める必要があると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Unique expression features of cancer-type organic anion transporting polypeptide 1B3 mRNA expression in human colon and lung cancers.2014
Author(s)
Sun Y, Furihata T, Ishii S, Nagai M, Harada M, Shimozato O, Kamijo T, Motohashi S, Yoshino I, Kamiichi A, Kobayashi K, Chiba K.
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Journal Title
Clin Transl Med.
Volume: 3
Pages: 37
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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