2014 Fiscal Year Annual Research Report
COMT阻害剤投与により惹起される代謝異常全体像の把握
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24590189
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
金 一暁 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10612377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金崎 啓造 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60589919)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | COMT / インスリン抵抗性 / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物実験において、高脂肪食のもとでのCOMT不全による耐糖能悪化やCOMTによる代謝産物での2-methoxyestradiolの投与による耐糖能障害の改善は、短期的な効果としては血中インスリン濃度の変化として、また長期的効果としてはインスリン抵抗性の変化に関与していることが確認できた。また、細胞実験においてはインスリン産生β細胞ラインのmin-6細胞を用いた検討で2-methoxyestradiol投与において分泌インスリンの増加が確認できた。 基礎実験を踏まえて判明したインスリンに関与したCOMTによる代謝の意義に関して、パーキンソン病の治療薬として臨床医学において使用されているCOMT阻害剤のエンタカポン投与患者での検討で、糖負荷試験における結果では非投与患者群と比較して2-methoxyestradiol値は軽度の差を認めたが血糖値・血清インスリン値・遊離脂肪酸・カテコラミン値などでは有意な差を認めなかった。またヒトにおけるCOMTの短期的効果の確認では2-methoxyestradiol値を含めてすべてにおいて有意な差は認められなかった。 検討患者のCOMT遺伝子多型解析においてもこれらの結果との相関ははっきりしなかった。 ヒトにおいては症例の蓄積ならびに差としてみられた2-methoxyestradiolの関与ならびにパーキンソン病の疾患背景などを考慮した検討が課題として挙げられた。
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