2014 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞のセラミド代謝系制御による効果的がん化学療法の開発
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24590197
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
尾崎 恵一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50252466)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セラミド / 抗がん剤 / PI3キナーゼ / Akt / GCS / SPT / ビンクリスチン / ドキソルビシン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、セラミド代謝酵素の一つであり、セラミドをグルコシル化することでそのアポトーシス誘導能を不活化することが知られているGlucosylceramide synthase (GCS)の発現レベルが、PI3-kinase/Akt経路の活性化レベルの高いがん細胞で亢進していることを見出した。この様ながん細胞において、PI3-kinase/Akt経路の特異的な遮断剤(LY294002やAKT1/2-inhibitor)を併用することによって、ドキソルビシン感受性を亢進させ、顕著なアポトーシスを誘導させることを明らかにしてきた。本年度の研究では、セラミド代謝経路、PI3-kinase/Akt経路、別の抗がん剤であるビンクリスチン(VCR)に対するがん細胞の感受性との関連について解析をすすめ、以下の様な知見を得た。 LY294002やAKT1/2-inhibitorを併用することで、VCRによる細胞死誘導効果が増強され、GCS阻害剤の併用や、siRNAによるGCSの発現抑制によっても同様の現象が見られた。 また、VCR及びそこにPI3 kinase/ Akt経路遮断剤を併用する際の細胞内セラミド分子の変化量を、マススペクトルによってモニターした結果、細胞内でC16およびC22セラミドが、一過性にVCR処理により上昇し、PI3 kinase/ Akt経路遮断剤を併用すると(GCS mRNAおよび代謝活性を低下)、いずれの分子種のセラミドもさらに上昇した。 従って、VCRとPI3 kinase/ Akt経路遮断剤を併用することによる、抗がん作用の増強においても、GCS阻害による細胞内セラミドの上昇によって薬剤感受性が回復したものと考えられた。なお、VCRによるセラミド誘導には、セラミド合成のde novo経路の律速酵素であるSerine palmitoyltransferaseの発現誘導が重要であることも同時に見出した。
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