2014 Fiscal Year Annual Research Report
Mタンパク糖鎖をターゲットとした多発性骨髄腫のバイオマーカ開発
Project/Area Number |
24590209
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
飯島 史朗 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (30222798)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオマーカー / 多発性骨髄腫 / マンノース / シアル酸 / GnT-V |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性骨髄腫(MM)患者の血清中に放出されるモノクローナル免疫グロブリン(Mタンパク)のL鎖結合糖鎖をターゲットとし、様々な合併症によりQOL低下が著しいMMの新たな診断・治療マーカーの開発のため研究を遂行した。 はじめに、L鎖結合糖鎖とMMの合併症との関連について患者血清を用いて検討した。その結果、骨病変を有する患者由来のL鎖結合糖鎖は、マンノースを特異的に認識するCon Aレクチンとの反応性が高く、バイオマーカーとしての可能性が示された。細胞表面の糖鎖が細胞接着や腫瘍の転移に関与するため、次に、株化細胞を用いてL鎖結合糖鎖と細胞表面糖鎖をレクチンを用いて比較した。その結果、L鎖結合糖鎖と反応したレクチンは、全て細胞表面糖鎖とも反応し、細胞表面糖鎖をL鎖結合糖鎖が反映する可能性を示した。 本年度は、これまでも着目してきた糖鎖の合成に関与する糖転移酵素について、骨髄腫細胞株で検討した結果、用いた全ての骨髄腫細胞株でGnT-V, -IVの発現を認めた。一方、FuT-VIIIとMaT-IVの発現は対照細胞も含め全ての細胞で確認できなかった。これより、骨髄腫細胞の転移性獲得には他の腫瘍細胞と同様にGnT-Vが関与することを明らかにした。 さらに、これらの糖鎖がMMの増悪に伴って変化するか、骨髄腫細胞株をIL-6で刺激し細胞表面糖鎖およびL鎖結合糖鎖の変化を解析した。その結果、細胞表面においてはIL-6濃度依存的にSSAレクチンとの反応性が増強したことより、細胞表面にシアル酸結合糖鎖が増加し、腫瘍の増悪と細胞表面糖鎖の関連を見出した。この変化をL鎖結合糖鎖で検出できるか解析した結果、細胞表面と同様の変化が認められ、細胞表面糖鎖の変化がL鎖結合糖鎖に反映する細胞株が存在した。 以上より、MタンパクL鎖結合糖鎖がMMの病態を反映し、MMの新たなバイオマーカーとなる可能性を示した。
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