2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍薬耐性因子を分子標的とする治療開発の基礎的研究
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24590214
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 広幸 東海大学, 医学部, 教授 (60195807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 智義 東海大学, 医学部, 准教授 (60439685)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬物耐性 / 国際情報交換 米国 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病の治療薬には、アントラサイクリン系抗腫瘍薬の一種のイダルビシンIdarubicin(IDR)が使用されている。この薬は治療薬の中核的薬剤であるが、薬剤耐性の問題が存在し、治療する際に非常に大きな障壁となっている。 本研究では、ヒトT細胞白血病株(MOLT-3)とイダルビシン耐性白血病細胞(MOLT-3/IDR)を用いた腫瘍細胞特異的な抗腫瘍薬耐性に関わる分子機構を解明することを目的として、イダルビシン薬剤耐性に関わる変異遺伝子の探索をミトコンドリアDNA(mtDNA)と核DNAの両面から試みた。 MtDNA比較配列解析の結果、MOLT-3親株とMOLT-3/IDR耐性株間では、COX2のエクソン領域の7966番目の塩基がT(チミン)からC(シトシン)に置換、ND3のエクソンで10242番目の塩基がC(シトシン)からY(CあるいはT)に置換、D-Loopの16194番目にC(シトシン)塩基の挿入が確認された。さらに、それぞれのエクソン領域のアミノ酸の置換に注目をしたところ、COX2の127番目のアミノ酸はフェニルアラニン(Phe)からセリン(Ser)に置換し、ND3の61番目のアミノ酸はトレオニン(Thr)からイソロイシン(Ile)に置換していた。特にND3の変異サイト(p.Thr61Ile)はイダルビシン耐性白血病細胞のオリジナルな変異であることが分かった。 次に、アレイCGH解析結果から、薬物耐性に関する5つの耐性候補遺伝子に絞ることができた。そのうち、GALNT2遺伝子配列を確認したところ、MOLT-3/IDR耐性株だけ1716番目の終止コドン(TAG)がG(グアニン)からK(GあるいはT)のヘテロに置換し、アミノ酸配列では終止コドンがチロシン(Tyr)に置換していた。このことからアミノ酸配列は次の終止コドンまでの18残基多く読まれており、リアルタイムPCRでも0.35の発現量が確認された。
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Research Products
(1 results)