2014 Fiscal Year Annual Research Report
DDS応用に向けた新規組織指向型水溶性カーボンナノチューブの体内動態と安全性研究
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24590220
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
灘井 雅行 名城大学, 薬学部, 教授 (00295544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 美紀 名城大学, 薬学部, 准教授 (70345594)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 体内動態 / ドラッグデリバリー / 水溶化 |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナノチューブ(SWCNT)のDDSへの応用を目指して、これまでにSWCNTの体内動態の検討のため、酸化したSWCNTに水溶化分子のPolyethylene Glycol(PEG)と蛍光色素Cy5 Mono-Reactive Dye(Cy5)を結合させた水溶性蛍光SWCNT(Cy5-PEG-SWCNT)を作成した。本検討では、原料SWCNTに、アーク放電法で得たSWCNT APJに打加えて、eDIPS法で作成した不純物含量の少ないSWCNT ECを用い、蛍光強度の高いCy5-PEG-SWCNTの作成を試みた。APJおよびECの酸化処理後の酸素原子の含有量はAJPでは処理前の約2倍に増加したが、ECでは約1.1倍であった。次にPEGを導入したところ、APJではPEG反応後の重量の増加率が1.3倍、ECでは4.0倍であった。しかし、Cy5を結合させたCy5-PEG-SWCNTへのCy5導入量は、AJPに比べてECの方が少なく、ECを用いて蛍光強度の高いCy5-PEG-SWCNTを作成できなかった。 また、生体に投与したSWCNTが肝薬物代謝酵素であるシトクロムP450 (CYP) の発現に及ぼす影響を、ラット初代培養肝細胞、ヒト初代培養肝細胞にSWCNTを暴露して検討した。その結果、ラット初代培養肝細胞では、CYP2C11 mRNAは変動しなかったが、CYP1A2、CYP2C13、CYP3A23/1、CYP3A2 mRNAは、SWCNTの濃度依存的に減少し、最もmRNAの変動率の高いCYP1A2ではタンパク質発現も減少した。一方、ヒト初代培養肝細胞のCYP1A2 mRNAはSWCNT 100 μg/mlでおよそ1/2程度に減少した。以上より、SWCNTはラットおよびヒト肝の複数のCYP分子種発現を減少させるため、これらの酵素活性が変化する可能性があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)