2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患の血液脳関門病変化とレニン・アンジオテンシン系阻害薬の保護作用
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24590228
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
冨永 宏治 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10509623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 淳史 福岡大学, 薬学部, 准教授 (90341453)
松本 純一 福岡大学, 薬学部, 助教 (10550064)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 血液脳関門 / レニン-アンギオテンシン系 / 副作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease : COPD)患者の脳血管障害や情動障害の発症・進展の成因として血液脳関門(BBB)の脆弱化とレニン・アンギオテンシン系(RAS)に着目し、この分子機構を明らかにすることにより、脳血管障害や情動障害の発現・進展の予防、予測・回避策の基盤となる情報を提示しようとするものである。本研究では「COPD患者の循環血中の炎症性刺激因子が脳ペリサイト病変化を誘発し、BBB機能を脆弱化する」さらに「COPD患者におけるBBB脆弱化はRAS阻害薬により制御できる」という仮説を検証する。 本年度は、エラスターゼ誘発COPDモデルマウスを用いて、BBBを構成するタイトジャンクション関連蛋白質(ZO-1、occuldin)の海馬領域における発現の変化について免疫組織化学法を用いて検討した。その結果、ZO-1の発現に変化は認められなかったが、occuldinはエラスターゼ誘発COPDモデルマウスにおいてその発言が減少し、その減少はアンギオテンシンII受容体拮抗薬投与により抑制された。 また、これらの変化に関与する血中サイトカインについて検討した。その結果、エラスターゼ誘発COPDモデルマウスではIL-1α、IL-13、MIP-2が増加していることが明らかとなった。
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