2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24590233
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長島 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40435665)
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Keywords | 比較解剖 / 形態形成 / 比較発生 / 形態進化 / ボディプラン / 頸部 |
Research Abstract |
頸部の解剖学的構築を明らかにするため、ニワトリを材料としてその形成機構を明らかにしようと試みた。具体的にはニワトリーウズラキメラ法によって、側板中胚葉の発生運命を調べた。既報通り、第一から第三体節脇の側板中胚葉からは僧帽筋繊維の大部分が形成された。この細胞集団は僧帽筋繊維を形成する前には第四から第六動脈弓周囲の間葉にも寄与しており、形態的に咽頭弓の中胚葉を形成することが分かった。これは将来、僧帽筋になる細胞が、発生初期には形態的に側板中胚葉という体幹要素でありながら、その後の過程では咽頭弓中胚葉という形態的に頭部の要素に変化する事を示している。この結果は、僧帽筋を支配する副神経および頸部脊髄神経が、鰓弓神経と脊髄神経の中間的性質を持っているという観察(Benninger and McNeil, 2010; Kobayashi et al., 2013)と極めて整合的であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頸部の長いニワトリへの対照として、頸部の短いメダカを用いた実験を試みているが、まだうまく遺伝子発現が見られていないものがある。またメダカを用いた組織移植法について試行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
メダカでの舌筋群の移動の様子を遺伝子発現、組織移植から明らかにし、ニワトリでの舌筋群の発生と比較を行う。この際、中胚葉の発生だけではなく、それを覆う神経堤細胞との関係性に注意して観察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は論文、総説執筆が重なったため実験に割ける時間が若干、少なくなってしまった。 論文、総説執筆も一段落しつつあり、最終年度の今年度はニワトリーウズラキメラ作成をより精力的に行う予定である。
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