2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24590249
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 昌宏 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10343253)
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Keywords | カテプシンD / ライソゾーム病 / リソソーム |
Research Abstract |
ライソゾーム病では、リソソーム酵素が先天的に欠損するか機能的に不活性になっており、代謝異常疾患となる。ライソゾーム病の有効な治療法として、酵素補充療法がある。欠損しているリソソーム酵素を体外から補充することで一定の効果が認められるが、補充酵素が到達しにくい角膜や神経細胞には有意義な効果が得られていない。リソソーム酵素を効果的に神経細胞へ運ぶ方法の開発を最終目標として、リソソーム酵素、特にカテプシンDの細胞間輸送経路の解明を目的とした。 昨年度までに、メダカ由来のTol2トランスポゾンを用いた鶏胚への遺伝子導入モデルを利用し、末梢神経のリソソーム酵素の可視化を試みてきた。しかし、カテプシンD遺伝子を導入した細胞で細胞死が誘導されることが分かったため、本年度は活性中心残基のアスパラギン酸をアラニンに置換した酵素活性のない不活性型カテプシンDを作成し、同様に遺伝子導入を行った。予想に反し、不活性型カテプシンDを導入した場合も、野生型を導入した場合と同様に細胞死が誘導された。電気泳動で分子量を調べると、不活性型カテプシンDは野生型カテプシンDと異なっていることから、正常に糖鎖が付加されていないことが考えられ、野生型の場合と異なる機序で細胞死が起こっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はカテプシンDを蛍光タンパクで標識し遺伝子導入を行い、蛍光顕微鏡で観察する予定であった。しかし、遺伝子導入した細胞が死ぬことが分かり、本年度は不活性型カテプシンDを作成して同様に調べることにした。細胞死の機序は分からないが、野生型と同じく不活性型カテプシンDでも遺伝子導入細胞が死ぬことが分かり、カテプシンDの生細胞での観察に至っていないから。
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Strategy for Future Research Activity |
カテプシンD遺伝子の発現量が高いことが原因の可能性が高いので、ニワトリのBAC cloneをmodifyし、内在性プロモータ下でカテプシンD-EGFP遺伝子を発現させ、神経細胞だけではなく、他の細胞特異的プロモーターを模索して、カテプシンD遺伝子を発現させ、細胞間移動を観察する。さらに、他のリソソーム酵素についても検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定では生細胞観察以降の実験に進む予定であったが、不活性型カテプシンDによる細胞死誘導が起こることが分かったため、遺伝子導入のところで試行錯誤が続き、繰越予算が発生した。 ニワトリBACをmodifyすることで、内在性遺伝子の発現量に相当する遺伝子導入を行うことと、神経細胞以外への遺伝子導入を行う。カテプシンD以外のリソソーム酵素を用いて同様の研究計画を進める。
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Research Products
(3 results)